ヤンデレ多め短編集【呪術廻戦】

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「ほう、誰から奪うと？」


『宿儺様！』




聴き慣れた声に少女は勢いよく顔を向ける。

一気に明るくなった少女の表情に白髪男の顔が曇る。




「なんで起きて来ちゃうかなあ。普通このまま連れ去れるでしょうよ」

「それによっぽど洗脳してるみたいだね？」



『せんのう？』


「Aは知らなくても良い。それと、いつまで呪術師(そいつ)に抱かれている？」





ハッと気付いたように少女はジタバタと抵抗するが、小柄な少女がこの男に勝てるはずがなかった。





『やだやだ離してっ』


少女は呪術師を恐れていた

宿儺が呪術師は無作為に人を殺すと教え込んでいたのだ。


その少女をあやすように頭を撫でながら白髪男はこう言った





「この宿儺って奴は人を殺すんだよ。君のお父さんやお母さん、街の人もみんなこいつが殺したんだ」


『え、、？』





ピタッと少女の動きが止まった。


これまで自分の両親は事故で死に、偶然宿儺に拾われたと教えられてきた。





「そいつの話など信じなくても良い。呪術師だぞ？」


「色々思い返してみてよ。全部おかしいでしょ？」





今まで愛してくれたが両親を殺したかもしれない宿儺と、急に現れ連れ去ろうとしている呪術師。


少女の脳はショート寸前だった。





「とにかく、お前みたいな危険な男にこの子はもったいないね。」


『ひゃっ、』





白髪男が少女の首に唇を落とし印を付けた。


見せつけられ、自分のモノだった少女が他の男に触れられているのが気に食わない宿儺は憤怒していた。





「その男はもうお前を食おうとしているぞ。はやく降りて此処に来い」



少女は再び抵抗するが、やはり降りれなかった。




「仕方がない。俺から行ってやろう」




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