Embodying War 【本編】 (ページ19)

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第１８話　研修指導？２日目【兎野&皇羅切】⑤ ページ19

コーヒーを飲み終わって、仕事教えついでに様子を見に行くことになった３人は現在リビング(共有スペース)の仕事部屋へ続くドアの前に立っていた。

「んじゃー、あけますか」
皇羅切がそう言って「失礼しますー」と２回ほどノックした後にガチャッと音を響かせてドアノブを回して開けた。

「ああ、どうぞ」

そんな声が聞こえたと同時にカリカリとペンを紙に走らせる音が二人分聞こえてくる。

見ると、副隊長である九龍空と、隊長である沙野原湊が大量の仕事依頼の書かれた紙を傍らに、
それに記入をする作業をまさに目にも止まらぬ速さで行っていた。
それを横目に蛇永に向かって兎野が言う。
「ほら、予想通りですよ」

「え、あそうなんでしょうけど、その、お二人だけでその大丈夫なんですかね？」

「大丈夫もなにも、俺らの分の仕事全部やりやがってるのお二人なので今さらどうしようもないんですよね。
ANNIHILATION 結成時からなので
このワーカーホリックは。直りそうもないですし仕方ないですね。」

果たして良いのだろうかそれは。
そんな事を神妙な顔で思いながら
「………そうなんですか…」と弱々しく蛇永が返事を返す。

言い終わった兎野の横から
「隙さえあれば仕事してるからなー」
なんて苦笑いしながら皇羅切が付け足す。

まあ、やることもないしということで、
その時は研修指導に戻って粗方の仕事の仕方(書類整理)を教えてもらった。

その後、自室に戻って日記を閉じてふと考える。

「今日は随分、なんか常識的な概念を覆された気がする……」

いや、わりとここにきてからはそう言うことが
普通になったけど。

……いや、もしかしてこれが普通なのか？

じゃあここにくる前までの環境が普通じゃなかったってことなのか？

もう、普通ってなんだ？？

これ以上考えてると埒があかない。
その日は考えることをやめて自室の椅子から立つとベッドに入ってそのまま寝た。