100話：数年後 ページ2
体育館の扉近くで座りながらキャイキャイと喋っている女子生徒2人がいた
｢男バレの先輩、見た！？カッコよすぎない？｣
｢分かる！でも、私はセッターの人が好き！｣
｢えー？やっぱりスパイク打ってる姿の方がかっこいいよ〜｣
2人はそんなことを言い合って、楽しそうに笑い合う
『ふーん？練習サボって男の話？』
扉の横から聞こえてきた声に2人は先程までの笑顔を消し、怯えたように横を向いた
そこには冷たい瞳で見下ろしてくる監督の姿があった
｢｢す、すみませんでした！｣｣
2人はすぐさま立ち上がり、頭を下げる
周りの女バレの生徒たちはヒソヒソとこちらを見て話し出した
陽奈はそれを一瞥して、まだ頭を下げてる2人に目を戻す
『まぁ、色恋も青春だよね。部活やってるから恋愛禁止、なんてことはありえない。でもね、それで練習をサボっていい理由にはならないから』
陽奈の笑っていない笑顔に2人は怯えてすぐさまコートに駆け込んだ
『罰として100本サーブ！』
｢｢は、はい！！｣｣
ヒソヒソ話していた女バレの生徒たちは陽奈を見る
『そんで、男バレの奴らより私の彼氏の方が100倍かっこいいから』
そう言った陽奈の言葉尻にはドドンと効果音がつきそうなほど堂々していて、部員たちはまたか、と呆れた顔をした
ヒソヒソ話していたのは陽奈のこれが想定内だったからだ
陽奈は年齢も近いからか部員たちに友人のように接してくれる反面、彼氏自慢、否、元チームメイトや家族自慢が止まらないのだった
『ほら、レシーブ練再開！』
「はい！」
部員たちが声を張り上げ、返事した
｢今日も鬼監督だな、陽奈｣
突然陽奈の背後から聞こえた猫又の声に陽奈は少し飛び上がって振り向く
『脅かさないでくなさい。猫又監督』
陽奈の言葉に猫又は笑った
｢男バレに勝るとも劣らない実力｣
確かに音駒の女バレは陽奈がいた時代よりは全然強かった
｢明日、練習試合をしないか？｣
『え？でも性別違いますし』
｢そんなの関係ない。吸収できるもんは吸収し、叩けるところは叩く｣
猫又は相変わらず真意の読み取れない猫のような顔で笑った
『分かりました。潰すなら徹底的にですからね』
陽奈のギラついた猫のような瞳に猫又はまた笑った
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かなぶん - めっちゃ好きです！どはまりの作品です！いいもの読ませていただきました！ありがとうございました！ (2022年9月16日 7時) (
レス) @page29 id: f7d43343b8 (このIDを非表示/違反報告)
カフェラテ - いい作品でした‼︎黒尾さんオチのお話が大好きです！ラストの短編集の「支配されてるのは」というところが良かったです。いい作品を作っていただきありがとうございました！ (2022年5月3日 11時) (レス) @page25 id: 2b0f4e3316 (このIDを非表示/違反報告)
はるまき(プロフ) - どタイプの作品すぎて、最高です！！！そこまで恋愛感が無く、プレイヤーの視点からも読める最高に面白い作品です！久しぶりにワクワクドキドキしました！ありがとうございますー！ (2021年11月21日 2時) (レス) @page24 id: 6af91a71bf (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 最高すぎんだろぉ！！！！！😭😭😭😭😭😭😭😭 (2021年11月19日 21時) (レス) @page15 id: 397318e50c (このIDを非表示/違反報告)
おちゃきち(プロフ) - 3作目の執筆ありがとうございます…！今の夢主ちゃんが意外とデレデレで頬が緩みました！20歳になるまでの間、辛辣な夢主に翻弄される黒尾さんや性格が柔らかくなっていく夢主の姿を想像しつつ、これからもこの作品を応援しています！ (2021年11月19日 17時) (レス) @page3 id: 78dc48b955 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サンマ | 作成日時：2021年11月19日 16時
