１０ ページ10
「何か困ったことあったら、
ご近所やし、俺もなるべく手伝うな。
いつでも言うて」
丸が優しい言う。
この近所に住んでるん？
結局、二人の関係は分からんまんま。
彼氏っぽい言動あるわけちゃうけど、
絶対に違うとも言い切られへん。
「ありがとう。
本当に頼っちゃうかも。
子供って、思ってたよりずっと大変」
Aが返事したら、
それに応えるように、
たあ君が、ぐずり出して。
A、慌てて飛んでいって、
背中とんとんしてやってる。
そしたら、魔法にかけられたみたいに、
またすやすや眠っていった。
その可愛い寝顔に引き寄せられるように、
俺もそばに来てもうた。
「ほんまに可愛い寝顔やな。
どんな夢見てんねやろ。
絶対にAは登場してるよな」
小さい指に触れただけで、
めっちゃ幸せな気分になる。
「ほんと、楽しい夢見てて欲しいな。
今日はきっと、
亮と水遊びした夢、見てるよ」
「そうやったら、めっちゃ嬉しいな」
何時間でも、この寝顔、見てられそう。
「Aちゃん、俺、そろそろ帰るわ」
丸の声につられて、
ふと腕時計確かめたら、
もう２３時前。
俺、車で来てんのに、
丸に勧められるまんま、
ワインも焼酎もあけてもうたやん。
タクシー呼ぶかな、思たとこ。
「亮ちゃん、車やろ？
帰られへんな」
丸のやつ、意味ありげに言うて、
さっさと玄関で革靴履いてる。
なんとなく、
Aと玄関まで見送る形になって。
「久々の再会やし、
夫婦水入らずで、
ゆっくり話したら？」
いつものにやけ顔で言われた。
「夫婦水入らずて。
俺ら、もうとっくに離婚してんの、
お前かて知ってるやろ？
今、付き合うてんの、
お前の方ちゃうん？」
あああ！！！
ついに聞いてもうた。
知りたくない事。
丸、しばらく驚いた顔して、
黙ってて。
それから。
「亮ちゃん、実はあほなん？」
心底、呆れた声で聞いた。
「なんじゃ、その言い方」
突っかかる俺を気にも留めずに。
「そうやろ？
あほやなかったら、
度を越した鈍感なんや。
まあ、お邪魔虫は消えます。
おやすみ」
言いたい放題言うて、
とっとと出てってもうた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 449人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひ み さ(プロフ) - 完結お疲れ様でした(*^^*) 涙流しながら読みました…色々考えさせられる素敵なお話でしたけど、ラスト私は好みです(//∇//) 最後まで書いてくださってありがとうございました♪ P.S.神様も読みました、やっぱりいいですね(≧▽≦) (2020年1月26日 6時) (
レス) id: 3389004d8b (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - お久しぶりです☆本年も宜しくお願いします(^O^)遅れちゃったけどコメ返嬉しかった〜♪私みたいな凡人が烏滸がましいけど、foolさんに共感する部分が多くて…勝手にお友達だと思ってます◎もう終盤かな？最後まで楽しみにしてます(*ﾉﾉ) (2020年1月16日 12時) (レス) id: ac3afc1999 (このIDを非表示/違反報告)
りょーくんえいたー(プロフ) - えぇめっちゃ嬉しいです(〃ω〃) ！！ やすくんと横ちょ… (2020年1月10日 7時) (レス) id: 0630fea27c (このIDを非表示/違反報告)
稲妻(プロフ) - 初めまして、連続で更新されていて楽しみになっています！これからの展開が楽しみです！ (2020年1月9日 23時) (レス) id: b45af291eb (このIDを非表示/違反報告)
りょーくんえいたー(プロフ) - 覚えててくれたなんて…(*ﾟ∀ﾟ*) めっちゃ嬉しいです！！ もう丸倉はキューピットですね笑笑 (2020年1月8日 21時) (レス) id: 0630fea27c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：fool x他1人 | 作成日時：2020年1月4日 10時
