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「俺、もう36やで?
二十歳やそこらの猿ちゃうねんから。
奥さんと子供おんのに、
好きでもない女の子に、ふらついたりせんわ」


「前の亮、凄かったから・・・
不満かなあって」


「何気に、恥ずいこと言うなや」


「・・・」


真っ赤っかなったAを、
抱きしめる。

握りしめてたペンが、床に落ちた。


背中を撫でただけで、
Aが不安そうに、
少し震えるから。


「はじめて、
俺が部屋行った時のこと、覚えてる?」


俺に出来る限りの優しい声で、そう聞く。


「覚えてる。
恥ずかしいけど。
亮は?」


「全部覚えてる」


「・・・」


黙ったまんまで、
ちらっと、Aが俺を盗み見た。

めっちゃ恥ずかしそうな顔してる。


「あん時も、めっちゃ怖がっとったやんか。
今以上に大騒ぎやったやん」


昔々のこと思い出したら、幸せでにやけてきた。


「忘れてよ。お願い」


「嫌。
一生、忘れたないわ。
あんな可愛いかったん」


付き合い出した時、
25歳で、
Aは最後までは、経験なくて。

めっちゃ怖がってた。


いつもの威勢の良さはどっかに消えてしもて。


「男の人って、
付き合い出すと、
急に豹変するから怖い。
カラダばっかり目的で、
必死なの、気持ち悪い。
それ見た途端に醒めちゃう」


はじめて、
その時一人暮らししてた、
Aの部屋に上げてもろて、

ええ雰囲気になったとこで、
そんなん、ガツーンと言われてさ。


強引なことしたら、
過去の男と同じく、
俺も嫌われてまうん?


て、めっちゃびびったもん。


けど、その後。


「でも、本当は変わりたいの。
本気で人を好きになってみたい。
錦戸先生に、変えて欲しい」


ちっちゃいけど、
はっきりした声で、
言うてくれてん。


あの時、めちゃくちゃ、きゅんとした。


結果、いつも冷静なんが信じられへんぐらい、
怖がってな、


最後まで出来たんは、
和歌山に旅行行ったホテルやってんけどさ。


過去に意識飛んで、
惚けてる俺に、
Aが、


「わざわざ思い出さないで」


抗議してくる。


「やから、無理。
今、詳細まで思い出したとこ」


「もお、・・・意地悪なんだから」

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ひ み さ(プロフ) - 完結お疲れ様でした(*^^*) 涙流しながら読みました…色々考えさせられる素敵なお話でしたけど、ラスト私は好みです(//∇//) 最後まで書いてくださってありがとうございました♪ P.S.神様も読みました、やっぱりいいですね(≧▽≦) (2020年1月26日 6時) (レス) id: 3389004d8b (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - お久しぶりです☆本年も宜しくお願いします(^O^)遅れちゃったけどコメ返嬉しかった〜♪私みたいな凡人が烏滸がましいけど、foolさんに共感する部分が多くて…勝手にお友達だと思ってます◎もう終盤かな?最後まで楽しみにしてます(*ノノ) (2020年1月16日 12時) (レス) id: ac3afc1999 (このIDを非表示/違反報告)
りょーくんえいたー(プロフ) - えぇめっちゃ嬉しいです(〃ω〃) !! やすくんと横ちょ… (2020年1月10日 7時) (レス) id: 0630fea27c (このIDを非表示/違反報告)
稲妻(プロフ) - 初めまして、連続で更新されていて楽しみになっています!これからの展開が楽しみです! (2020年1月9日 23時) (レス) id: b45af291eb (このIDを非表示/違反報告)
りょーくんえいたー(プロフ) - 覚えててくれたなんて…(*゚∀゚*) めっちゃ嬉しいです!!  もう丸倉はキューピットですね笑笑 (2020年1月8日 21時) (レス) id: 0630fea27c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:fool x他1人 | 作成日時:2020年1月4日 10時

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