８ ページ30
「素直に言うてみ？
俺にどうして欲しいん？」
ううん、って、首を横に振るけど・・・
ぎゅって、カラダ、小さして。
涙目なって、唇、噛んで。
昔っから、
Aは恥ずかしがりで、
ねだったり、ようせんねん。
「欲しいやろ？
おねだりせん子は、このままやで？」
「や。やだ・・・」
「ん？嫌なん？やめる？」
「ちが、やなの。
亮の意地悪」
「ん？なんが意地悪？」
「・・・言え、ないの、
分かってるくせに」
あああ！！！もお！！！
こない可愛いされてもうたらさ。
「俺があかん。もう無理」
・・・焦らして、いじめんのは、やめ。
もっかい、甘い甘いキスから・・・
此の期に及んで、
シーツの中行きたい、
恥ずかしい、
言うてたけど、
すぐに、
余裕なくさせてやった。
ほんまはAも、
俺が強引に来んの待っとってんなって。
うだうだ悩んでんと、
さっさと行動に移せば良かったて、
めっさ後悔。
きっちり固められたシーツの中。
裸のまんまのAを、
ずっと包むように抱きしめてる。
「赤ちゃん、・・・」
不意に、Aが、ちっこく呟いた。
「ん？」
「たあ君みたいな、可愛い男の子。
お腹に来てたら、いいのにな」
まさかな、Aの方から、
そんな前向きなこと言うてくれる、
思わんかったから、
しばらく、放心してたかも。
今日は初めて、その、
そのまんまで、
なんもせんでええ、言うてくれたし、
二人の子供が欲しいって気持ち、
おんなじなんかな、って、
めっちゃ嬉しかってん。
「うん。
今、まさにやって来たと思う」
やっとの事で、そう答えて、
ぺったんこの柔らかいお腹、撫でたら、
Aが、くすくす笑うて。
「女の子でもいいですよ〜？
やんちゃは困ります」
お腹になんか、
俺になんか、
曖昧に話してる。
「そうやな。
好き嫌いもあかんしな。
けど、
可愛い、元気な子やったら、
どっちでもええな」
「うん。
もしね、私のところに来てくれたら、
世界一、幸せな赤ちゃんにしてあげたいんだ」
Aが、少し涙ぐんだ気がして。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 394人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひろみ(プロフ) - 素敵なお話ですね…。切ないけど続きが気になるし、私も同じ立場だったら……って考えました。 あけましておめでとうございます。今年もゆっくり進んでいきましょ！ (2020年1月3日 0時) (
レス) id: 45ae244132 (このIDを非表示/違反報告)
美穂(プロフ) - こちらこそいつも楽しみに読ませて頂きありがとうございました。最近コメントしてなかったけどいつも読んでます。来年も更新楽しみにしてます。良いお年をお迎え下さい。 (2019年12月28日 1時) (レス) id: f4c26da760 (このIDを非表示/違反報告)
ひ み さ(プロフ) - この１年もたくさん素敵な作品読ませて頂きありがとうございました(*^^*) お話の続きも新しいプレイリストも楽しみにしてます、よいお年を♪ (2019年12月27日 22時) (レス) id: 6eb2ce4a4e (このIDを非表示/違反報告)
happiness☆(プロフ) - foolさんのお話しの大ファンです。全て好きな作品ですが、最近は、イントロの更新が待ち遠しくて、更新されると一気に読んでしまいます。今後の展開気になりますが、どんな形でも2人が幸せになって欲しいと願っています。個人的には、たあくんを2人で育てて欲しいです。 (2019年12月27日 21時) (レス) id: 8cb89539f0 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - きっと、このお話も切ない展開なんだと思い、胸がキュッとなります。涙がポロっと出そう。人の幸せってなんなんだろうねぇ……と、考えてしまいます。 (2019年12月23日 21時) (レス) id: 017350f460 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：fool x他1人 | 作成日時：2019年9月24日 13時
