イントロ。

７ ページ29

「ちょっと、りょ、」


焦って、必死で逃げようとしてるけど、無視。

顎引いて俯いたとこ覗き込んで、
もういっぺん唇を塞ぐ。


「りょ、お、」


形だけの抵抗して、
Aが俺を煽るから。


ちょ、もお、あかん。

溶ける。

ここが外やって、忘れてまいそうや。


俺らの部屋の階に着いたんか、
エレベーターが少し揺れて、止まって。

・・・やっと離れた。


こんな、ガッついてもうたんがちょっと決まり悪て。

Aも夢中なったん恥ずかしいんか、
目配せして照れ笑い。


エレベーター降りて歩き出したら、

Aの方から、
俺の浴衣の袖に、
甘えてつかまってきた。


ホテルの廊下、無駄に長いな。

もう、１秒もはよ、抱き合いたいのに・・・







扉が閉まった瞬間に、
待ちわびたように、キスを交わす。


手に持ってた荷物は、
ソファの上に放り投げて、

ベッドに雪崩れ込んだ。

シーツはきっちり折り込まれてるから、
必然的にその上にダイブ。


浴衣の帯、解くんももどかしいのに、
久しぶりのせいか、
Aはめっちゃ恥ずかしがってる。


浴衣の襟元、
はだけさせたら、
もう泣き出しそうな顔して、

「亮、布団の中、入ってからにしよ？」


そんなん、言うねん。


「嫌。
シーツん中、ぴっちりし過ぎて、
苦しいやん」


「でも・・・
じゃあ、電気消そうよ」


「あかん。
見えへんやん」


浴衣、剥ぎ取って、
上からじっと見下ろす。


前よりか、
ちょっと痩せてもうたけど、
めっちゃ綺麗や。


「亮、あんまり見ないで・・・」


潤んだ目をそらした、
その表情がまた、
俺を高ぶらせてるて、
ほんまは分かってるよな？


「無理。
穴空くほど見たい。
Aの全部」


見るだけでは済まんけどな。

指で唇で、全部を確かめてく。


「亮、や。待って。
隠したいよ。
・・・や、だ」


ため息みたいな、
甘ったるい声は、

もっと、もっと、
言うてるようにしか、
聞こえへん。


「嫌ちゃうやろ？」


せわしない動き止めて、
ちょっと、いじめたる。


A、泣きそうな、
恨めしそうな顔して、
俺を見た。

８→←６

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す