イントロ。

６ ページ16

既婚者も、

人生で一番大切にしたい人が現れたっていうよりか、

年齢や親んこと考えて結婚考え出した時に、
たまたま付き合うてた相手となんとなく、

か、

彼女にがっつり外堀埋められて、
にっちもさっちも行かんなって、
ついに年貢納めた、

の２パターンしか見たことない。


「ほんまに惚れた相手と結婚出来たんて、
実はむちゃくちゃ奇跡やってんなあ」


つい、ひとりごとが漏れた。


キスしてもええかな。


寝込みを襲うて、夫婦でもあかん？


いや、ええ事にしよ。


ほっぺたに、ちゅ、って、してみる。


起きへんか、心配やったけど、
無事、ミッションクリア。


調子乗って、今度は、唇にそっと触れた。


生え際んとこに、指で触れる。


おでこに手のひら当ててみたけど、
ひんやりしてる。


「熱はないねんけどなあ。
倒れるなんて、よっぽど疲れてるねんな。
よう寝て」


もういっぺんだけ、
優しいキスして、
俺も目を閉じた。


腕枕したかったけど、
起こしてまいそうで、我慢する。


Aはきっと拗ねとっただけやんな。


今日かって、結局は帰って来てくれたし。


元通りに、

なんなら、
前よりも仲良うやっていけると思う。


もう一回、ほんまもんの夫婦になるために、
努力しよう。

そう決意して、眠りについたのに・・・




朝、目覚めたら、
隣のベッドはもぬけの殻。

Aはおらんなってた。


「なんでやねん・・・」


ため息しか出えへん。

また、この手に掴めたと、思ったのに。



錦戸Aぐっすり寝てたので、起こさずに行くね。3日のデート、楽しみにしてる。A。


けどすぐに、そんなライン届いて、

腰抜かすほど、ほっとした。


Aも、デート言うてくれてるねんし、

惚れ直させればええだけ。



最高の一日にしたい。


早速、ネットで、ホテルを予約する。


こんなギリギリでは、
禁煙のオーシャンビューの部屋は、

全室埋まってて、
キャンセル待ちになってもうた。


もし部屋が取れたら、
何もかも元通りになる、
そんな気がして。

祈るような気持ちになる。



錦戸亮無理したらあかんで。しんどかったら、早退するねんで。俺も後から病院行くから、一緒に帰ろ?

７→←５

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す