instead of you (紫) (ページ31)

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重岡「トモヒロ、消えてもうたな」

俺の隣に座るダイキがそうボソッと呟いて。

濵田「なんでお前はそんなに冷静やねん」

重岡「別に、普通」

昔のあの無邪気さはどこへ消えてしまったのか。

知らぬ間にダイキはクールな子供へと成長していた。

重岡「言うとくけどこういうの見せてんのおとんにだけやから」

濵田「こういうのって？」

ガチャっと玄関が開く音がして

小瀧「ただいまー！あー腹減った！」

望が帰ってきた。

重岡「ノゾムやー！！！おかえり！！
おとん飯まだ作ってへんからできるまで俺とあそぼー！！！」

望の足にまとわりつくダイキはさっきとは別人のようで。

小瀧「え、はまちゃん飯まだ作ってへんの？俺腹ペコやねんけどー」

濵田「ああ、ごめんごめん。今作るから！もうちょっと待っててな」

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なあA。もしお前が生きていたら…

いや、ごめんな。

そんなこと考えてもしゃあないもんな。

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A「タカヒロ」

濵田「え？」

どこからかAの声が聞こえた気がした。

濵田「気のせいか」

壁に掛けられたAの写真はいつでも俺に微笑み掛けてくれる。

濵田「よっしゃー！今日の夕飯はカレーやでー！」

fin.

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