幻みたいな君は友達 (ページ7)

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見回りが始まって二日目。

今日も長尾くんは、二人分の誘導棒を持って私のところにやってきた。

私は、昨日の会話をなんとか思い出さないようにしながら、その片方を受け取る。

「ありがとう」と告げたその声が震えてないか、少し不安だったけど、長尾くんが笑顔で「今日もよろしくお願いします」って言ったから、たぶん大丈夫。

大丈夫だと言い聞かせて、私も笑顔を返した。

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長尾「——A先輩は、小島先輩と付き合ってるんですか？」

想定外の質問で、思わず言葉に詰まった。
少し空いた間に、長尾くんは色々察したみたいに「いや、すいません、そうですよね、すいません」と早口で捲し立てる。

「違う！違う違う、付き合ってない！付き合ってないよ？」

長尾「え、あっ、ほんまですか？」

「うん、付き合ってない。全然付き合ってない」

そう答えると、長尾くんは吹き出すように笑い出した。

その親しげな笑顔が可愛くて、私の胸はギュッと痛くなる。

長尾「全然付き合ってないって、変な日本語」

「だって、全然付き合ってないんやもん」

長尾「全然付き合ってないんですね」

「うん、全然付き合ってないよ」

そんなことを話していたら、校門の前まで戻ってきていた。

先に戻っていた小島が、「おかえりー！」なんて言いながらこっちに向かって手を振ってくる。

さっきまでの話を思い出して長尾くんの方を見ると、長尾くんも私の方を見ていて、二人で顔を見合わせて吹き出した。