幻みたいな君は友達 (ページ23)

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小島「……でもあれや、俺あれ出んねん」

「あれってなによ」

小島「あれよ、あれやん。昼の、中庭の」

「えっ、ステージ？出るん？なんで？」

小島「なんでってことはないやろ、出んねん」

小島は目立つ人やけど、そういうのに出たがるタイプの人やとは思ってなかった。

頼まれて司会をやるぐらいやと思ってたけど、毎日顔を合わせていても、まだ意外な一面が出てくるなんて。

「え、何やるん？漫才？コント？」

小島「ちゃうよ！俺のことなんやと思ってんねん！」

「だってだって、漫才ちゃうん？
あっ、漫談？」

小島「漫談なわけないやろ！」

「えー、じゃあ何やるん？だって小島、楽器とかやってるとこ見たことないし」

例えて出した演目、全部別に冗談で言ったつもりはないけど、小島がその全部に首を振るから、だんだん小島が何をするのか、本気で気になってくる。

じゃあ何やるん、って考え込むと
小島は小さく笑って、首の後ろを掻いた。

小島「じゃあ、見に来たらええやん。長尾くんと回んねやろ？屋台の焼きそば食いながら見にくる暇くらいあるんちゃうん」

「焼きそば確定なん？」

小島「おお、焼きそば食いながら格好良い小島健を見に来たらええ」

「格好良い小島健はレアやね？」

小島「小島はいつでもかっこええやろ。でも、かっこよすぎて惚れ直してまうかもなー」

「そもそも惚れてへんけど」

小島「まぁまぁ、そういうことにしといたる」

小島はそうやっていつもの軽口を叩いて、笑い声を溢した。