幻みたいな君は友達 (ページ22)

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小島「なんや今日A、ぼーっとしすぎちゃう？しゃんとせえや」

隣から、そんな失礼な言葉が聞こえてきて我に返る。

無事に文化祭が始まったはいいものの、即刻「遊ぶぞー！楽しむぞー！」になれるわけもなく
校門前に建てられたテントの中で、小島と私は受付役に駆り出されていた。

これが終わったら長尾くんと、ふたりで……
って考えないようにしても、どうしたって考えてしまう。

あと50分…あと40分と、チラチラ時計を見てることは、たぶん小島にはバレてんねやろな。

別に、ええんやけど。

小島「Aはええなぁ〜、楽しみなことがあって」

「小島もあるやろ？女の子と回る予定の一つや二つぐらい」

小島ってヤツは、実は結構モテるんだ。
いつも一緒にいすぎてたまに忘れてまうけど、残念イケメンはモテるって、小島を見てるとよく思う。

私なんかと一緒にいるから出会いがないだけで。

小島「ないよ、一緒に回りたい人おらんもん」

「おらんくても、誘われることはあるんちゃうん？」

小島「そりゃまぁ…ないことはない、かなぁ？」

「うわ、ウザ」

小島「別にええやろ！お前は長尾くんと予定あんねやから！」

「予定なかったら張り倒してるとこやったで」

小島「吹っ飛ばされんちゃうん？俺」

「そやで？私に予定あってよかったやん」

私がそう言うと、小島は「まぁ、そっかー、いや、まぁ、せやな」なんて締まりの悪い相槌を打った。