幻みたいな君は友達 (ページ12)

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長尾「A先輩？」

「あっ、うん。なに？」

長尾「今日なんか元気ないですか？なんか、ぽーっとしとる」

「…元気！元気やよ！ごめん、ちょっと考え事してて」

長尾「………ちゃんと俺の話、聞いてました？」

長尾くんはぷくーっと頬を膨らませて、私の方をジッと見る。

(天使！可愛い！好き！)と叫び出しそうな気持ちをなんとか抑えて、私は小さく苦笑いをした。

「ごめん…聞いてなかった、かも？」

長尾「もう！大事な話してたのに！」

長尾くんはそう言って、左手に持った誘導棒の赤いランプをチカチカ光らせる。
それから、足早に私の二歩ぐらい先に進んで、そこでくるっと私の方を振り返った。

夕焼けに照らされる長尾くんの表情は、太陽みたいに明るくて、陽だまりみたいにあたたかい。

やっぱり私は、長尾くんのことが——

長尾「……明後日、文化祭一緒に回ってくれませんかって話を、してたんですよ？」