初心な僕らは恋を知らない (ページ15)

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「………画面見たでしょ」

小島「見てへんよ」

「……嘘だぁ」

小島「嘘ちゃうってば！なーんでそんな人のこと信じられん子になっちゃったんかな」

「健ちゃんが意味深な顔してるのが悪い」

小島「してへんし！」

健ちゃんはそう言って、ジョッキに少し残っていたハイボールを飲み干した。
そして、口の端を指先で拭ってから私の方を見遣る。

小島「なに、俺に見られたない相手からやったん？彼氏？」

「彼氏……じゃない」

小島「ただの友達やったらそんな反応せえへんやろ」

「本当に彼氏じゃないし」

小島「じゃあ、元カレ？」

ついでに聞いとくか、みたいな感じで訊ねた健ちゃんの質問で、意図せず言葉に詰まる。

そして、目敏い健ちゃんが私の隙に気付かないわけがなく、ヤバいと思ったときにはもう、ニヤニヤした顔で「ふ〜ん」と頬杖を付く健ちゃんがいた。

小島「元カレかぁ〜、Aもそういう歳やもんな〜」

「………一個しか違わないでしょ」

小島「それはそうやけど。ほら、健ちゃんに恋愛相談してもええねんで？まだ未練とかあるんちゃうん」

「決めつけが凄いな」

小島「未練ある子って可愛いやん」

「テキトーなこと言わないで」

小島「あっ、未練あるんやな」

「ない、ないです」

そう言って、私もジョッキに残った酎ハイを飲み干す。

飲み干したのに、健ちゃんはそんな私を見ながら、また「ふ〜ん？」とワケあり顔でニヤニヤしていた。