$4 ページ5
side:hokuto
耳障りなクラブミュージック。
そして、よくも知らない女どもの甲高い声。
付き合いで来てはいるものの、正直言って楽しいものではない虚無の夜。
もう退出しようかとシートから立ち上がり出口へ向かうと斜向かいに座っていた京本に'どこ行くんだよ'と詮索される。
帰る、って言うとめんどくさいんだよなこいつ…
北斗「トイレ、」
そう言い残し、あぁ今日もまだ長引くのかとため息を吐きながらトイレのドアを開けると足元に女が蹲っていた。
北斗「うわ、びっくりした…大丈夫か？」
ひとまずそこにいられても困るので手を差し伸べる。
ゆっくりと顔を上げた女は、片方は人工的な茶色で、もう片方は綺麗な青い目をしていた。
見ない顔だな、と思いながらも掴まれた手を引き立ち上がらせる。
北斗「気分悪いなら出ろよ」
A「大丈夫、」
俺も無愛想な方だが、女は更にぶっきらぼうに俺とすれ違っていく。
鏡を覗きながら目元を何やら触ると振り向いた。
A「さっきは驚かせてごめんなさい」
北斗「…別に」
A「名前、聞いてもいい？」
先程の青い目を隠すように両の目を茶色くした彼女が壁にもたれながら聞く。
北斗「北斗。お前は？」
A「A。ご親切にありがとう」
そう言うと出口へ向かって歩き出す彼女。
今まで、名乗ってそのまま居なくなる女なんていなかったから、それが少し新鮮だった。
黒いワンピースにショートカットの見知らぬ彼女。
北斗「…」
結局そのあと席に戻る気力はなく、彼女の事もぼんやりと記憶から薄めながらこの日は帰路へ付いた。
後日、樹や京本から執拗な詮索があったのは言うまでもない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 507人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
七星のあ - あおさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます☺︎ご期待に添えるように頑張ります。 (2022年11月29日 23時) (
レス) id: 0371497e5e (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - モチーフになった曲も大好きなので、こういう作品読みたいと思ってました！！見つけられて良かったです☺️☺️楽しみにしてます。 (2022年11月28日 0時) (レス) id: 0c466d2450 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：七星のあ | 作成日時：2020年7月10日 8時
