自分を恐れる少女がみんなに愛される話 (ページ44)

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薬の効果は…(無一郎side) ページ44

先程のゲス男の話を聞いて嫌な予感はしていた。

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酷い事なんて人聞きが悪いな…

薬の効果も相まってみんな気持ち良さそうにしてたぜ？

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この言葉からおそらくこの薬の副作用は媚薬効果といったところだろう。

まずいな。

僕の予想は的中していたようで麻痺が取れたあたりから律の事を変に意識してしまう。

髪を耳にかける仕草もいつもならなんとも思わないのに妙に色っぽく見える。

普段隊服をきちんと着て肌をあまり露出していない律だから余計にそう思うのか…

露わになった耳から首筋にかけての白い肌が無一郎を刺激した。

不意の仕草にドキドキしてしまい動揺して食事中に箸を落としてしまったが手の痺れが残っているのだと勘違いされてしまった。

『まぁ、背に腹は変えられませんから…今日は特別に私が食べさせてあげる！』

いやいや、ダメだから。って…近い近い！！！

普段一緒に甘味処に行く時などお互いの甘味を一口ずつ分け合うことがよくあるためその時ののりでやっているのだろうが…

なんとも思わずやっていたが今近付いて来られると本当にまずい。

悪魔のささやきに葛藤する無一郎。

変な気を起こして律との関係にひびを入れたくないと思い小屋を出て一人で過ごすことも考えたが

そんな事をしたら律は俺を心配して自分が外で寝ると言い出しかねない。

まず第一に気絶しているとはいえこの変態クズ男と律を2人きりにするのは絶対に嫌だ。

だから先程から眠れずに悶々としているわけだけど…

律は馬鹿だから俺の顔が真っ赤になっているのを発熱のせいだと勘違いしたらしい。

薬を作ってくると言って小屋の外に出ようとする。

無「いいよそんなの…」

本当に律は馬鹿だ。少しは察しがついてもいいだろうに…

『でも…』

しゅんとする姿さえも今は可愛く見えてしょうがない。いい加減にしてくれ。←

無「はぁ…もう俺に構わないで。」

それを聞いて悲しそうにする律。

やってしまった。自分は言葉が辛辣なところがあると自覚しているから律には優しく話しかける事を意識してきたのに。

無「いや、、違くて…副作用は大丈夫。ただ律がいつもより可愛く見えるから今日は俺に近付くと危ないよ。それだけ…」

そう言って布団を被る。

顔が熱い。