自分を恐れる少女がみんなに愛される話 (ページ40)

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無一郎と任務② ページ40

めんどくさいなとため息をついている無一郎。

鬼殺隊は政府公認の組織ではないため人間が犯した罪については組織の独断では処分出来ないのだ。

確かに今回の手口は鬼のものではないのでその線は濃厚だろう。

しかし、何かがひっかかる。

仮に人攫いをしているのが人間だとする。

それでも警備が厳重になっている村で誰にも気付かれずに姿を見られずに犯行する事が出来るかが謎だ。

それに残された血痕。

殴ったりして出た血なら飛沫のようになっているはずだがこの村で残された血痕は全て少量のもので水滴が落ちたような残りかたをしている。

それに鬼殺隊のものも行方不明になっている。

階級の低い剣士でも普段鬼を相手にしている鬼殺隊のものなら普通の人相手に出し抜かれることはないはず。

無「律…？」

『へ…？』

考え込んで気付いていなかったが無一郎が何回も私を呼んでいたようだ。

無「全くしっかりしてよね。このまま情報収集しても有力な情報は手に入らなさそうだし夜になるまで待って現行犯で捕まえるってのが一番だと思うんだけど。」

『たしかに。ひっかかる点が多いけど情報が少なすぎて整理が出来ない…私が囮になって犯人が来たら無一郎が助けるって方法でいい？』

無「は？」

『え…』

ありえないという顔で見られて動揺する私。

そういうことじゃなかったんだろうか。

無「僕がそんな危ない事律にさせると思ってるの？」

『だって任務だし若い女の人が狙われるみたいだから。』

無「そんなのこの村の女の人使えばいいじゃん。どうせ助けるんだし問題ないでしょ。」

またサイコパスじみたことを…

無一郎は友達の私には優しいのに他の人に対してはかなり扱いが雑なのだ。

『村の人を助けるために引き受けた任務でそんな方法は許しません…！』

無「………。」

無反応？！

『え…えと…許しません！！！』

無反応だった無一郎を見てとりあえずテイク2に入る律。

無「はぁ…しょうがないな。律って一度言ったら聞かないし…この方法は使いたくなかったんだけどこれで行くしかなさそうだ。」

『えぇと…それはどんな？』

無「………言わない。」

なになに？と聞いてもそっぽを向いて何も言わなくなった無一郎。

あまりにも強情なので私は無一郎に近づいていって顔を覗き込みに行く。

無「っ///あー！！もう！とにかく村の連中も律も危険な目にあわなけりゃいいんでしょ！！」