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となり*21 ページ21

「じゃあ、そろそろ皆のとこ戻ろうか。」

私は坂田君の言葉に頷きかけた時に、あっ と声を上げた。


「どうしたん?」

不思議そうに振り返る坂田君。


「覚えてるかな、中学の卒業式のときに坂田君が私にハンカチを貸してくれたこと。
ハンカチ、今日持ってくるの忘れちゃって返せてないんだけど……」

私の言葉に、少し考えてから閃いたように手をパンッと叩く。


「覚えとるよ。
あ、まだあったんやね そのハンカチ。もう捨てられてると思ってたわ。」

捨てるわけ、無いじゃないですか。
その言葉を何とか飲み込む。


「んー、別に持っててええよ?
いらないなら捨ててええし、別に返さなくて大丈夫やよ。」

のんびりと言う彼。
でも、なぜか私は頷きたくなくて。


「ダメです。ちゃんと返したいので。それで、あの、」

そして、私は気づいた。
さっき私が頷きたくなかったのは、私が今から言おうとしていることをしたかったからだ。


「今度、会えますか?」

つまり、また彼に 坂田君に会いたかったから。
そう思うと、納得する。


坂田君は大きな目を更に大きくして、ニコッと笑った。


「ええよ!じゃあ、連絡先交換しようか。」

そうして、私の連絡先に 彼の名前が登録された。


「じゃあ、今度こそ戻ろうか。」

坂田君の言葉に、私は はい と頷いて中に入る坂田君の後に続いた。


皆の元に戻ると、坂田君はもう皆に囲まれてしまった。
私は、そんな彼を少し見て なぎさの元へ向かった。


「ねぇ、A〜。どうだったん?告白された?」

少し、酔っ払っているのだろうか。
顔がさっきよりも赤くなっているなぎさに、苦笑する。


「なわけ。普通に話してただけだよ。」

なぎさが私の言葉にキランッと目を鋭く瞬かせる。

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菊香(プロフ) - サラさん» ありがとうございます!早速お邪魔しますね(^^) (2018年2月1日 20時) (レス) id: aea442a5e9 (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - 菊香さん» 大丈夫ですよ!お待ちしております! (2018年2月1日 7時) (レス) id: 26a9623291 (このIDを非表示/違反報告)
菊香(プロフ) - サラさん» まじですか!!ボード行っても大丈夫でしょうか? (2018年1月31日 11時) (レス) id: aea442a5e9 (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - うしさせの春ツ北海道参戦します! (2018年1月31日 5時) (レス) id: 26a9623291 (このIDを非表示/違反報告)
菊香(プロフ) - ちーちゃんさん» ぴゃああああ(( (2018年1月30日 23時) (レス) id: aea442a5e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:菊香 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年11月16日 23時

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