昔、隣の席だった君。【skt】 (ページ2)

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となり*2 ページ2

「どこかでこの声聞いたことあるんだよなぁ…」

さかたんの声なんて生で聞いたら一生忘れるわけ無い。
けれど、毎回思う。
どこかで聞いたことあるんだよなぁって。

そう思っても思い出せずに終わるのがお決まりだ。

「ここら辺で、お知らせ入れようかな。」

と、さかたんの声が聞こえてきてビクッとする。

ライブとかなら嬉しいけど…私の在住北海道には来ないんだよな、あんまり。
だからライブに行ったのも坂田家ながら一回も無い。

イベントなら北海道で、CDなら何がなんでも買ってやる。
そう思いながら、イヤホンから聞こえる声に集中していた。

「ワンマンライブ、開催します!」

その言葉に喜びたくなる気持ちを抑える。
もし、北海道外ならいけない。
仕事の関係とお金の関係で遠出は出来ない。

そう、イベントがあっても場所によっては私にとっての意味が無いのだ。
どうか、北海道でやりますように……

「開催場所は、結構あるんよ。
えっと、まずは……」

と、東京やら大阪やらを言っていく。

「そして、北の皆!北海道も行くよ!」

札幌のある会場でも行う。
その声に両手でガッツポーズを繰り返す。

「っっっしゃあ!!!」

押しのライブに坂田家の私が行きたいと願うのは無理も無い。
ましてや、ワンマンなんて……。
これは行きたい。いや、なんとしてでも行かなくては。

チケット先行受付のことなどをしっかりと聞いて、上機嫌のままベッドに入る。

北海道にさかたんが来る……。
さかたんに会えるかも知れない……。

可能性ができたことに私は落ち着きの無い胸を押さえることが出来ずにいた。
しかし、やはり今日も仕事で疲れていたらしくすぐに睡魔が襲ってくる。

そのまま私は、眠りに落ちていった。

……そして、私は夢を見たのだ。
とても懐かしい、忘れられない思い出を。