転生した 苺の王子は 鬼殺隊 5

佰 玖拾 陸 話 ページ8

ジェルside





しのぶ「仲良くするのは無理なようですね。残念、残念。」





全然残念がってるように聞こえませんけど？


鬼は頸が斬られてなくて、安心したようやけど…

刺された箇所から紫色に変色しはじめ、最終的には血を吐きながら倒れてしまった





しのぶ「頸を斬られてないからって、安心したらいけませんよ？私のように、毒を使う剣士もいますからね。
鬼殺隊・蟲柱、胡蝶しのぶ。
私は柱の中で唯一、鬼の頸を斬れない剣士ですが、鬼を殺せる毒を作った、ちょっと凄い人なんですよ」





いや、本当に凄い
それで柱まで上り詰めるなんて、すごく努力家なんやろうな…





ななもり「死んでるんだから、もう聞こえてませんよ？」

しのぶ「ああ、失礼しました。うっかりです」





てへって…可愛らしいですね蟲柱さん


…！？





ジェル「なーくん!?いつの間に背後から!?」

ななもり「いや、鬼の匂いがしたからね。来てみたら、ジェルくんと姉さんがいたって訳」





なるほど、そういう訳…


！？





ジェル「姉さん…て？」

ななもり「あれ、言ってなかったっけ？俺、蝶屋敷で育ったんだよ」

ジェル「聞いてへんよ!!初耳!!」

ななもり「えへへ、ごめんね」





えへへって…可愛いな、もう！


…と、急に蟲柱さんがなーくんに迫った





しのぶ「なな！長い間どこにいたんですか？心配してたんですよ？」

ななもり「あ、ごめんなさい…実は藤の家紋の家で治療を…」

しのぶ「治療なら蝶屋敷ですれば良いじゃないですか」





どうやら、蟲柱さんは家族思いらしい

でも、さすがに繭の中の人が気の毒…
俺は刀を突き立てて、繭を破った





「ゲェｯ!!げほっ、げほっ…」

ジェル「え!?サイステ先輩!?」





中から出てきたのは紛れもない、
累に挑んで、一瞬で惨殺された…
あのサイコロステーキ先輩だった


生きてるってことは、るぅちゃんかころちゃんが助けてくれたんかな？





「は？サイステ…？それより、鬼に止めを刺さなくていいのか？」

しのぶ「藤の花の毒で殺したんです。もう死んでいるので、あのまま腐ります。
私は薬学に精通しているんですよ。服が溶けただけで、体は殆ど無傷ですね。良かったです」





先輩は、青ざめて体を手で隠した


蟲柱さんは、なーくんの肩に置いていた手をそっと離し、空を見上げた





しのぶ「さて、このお嬢さんを無理やり従わせた鬼の居場所が気になるところ…
冨岡さんに先を越されてしまいましたか」

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