【小説】貴方が悪魔として生きる日々。【募集企画】

＊オイシイモノ ページ10

【ルシア・ヴォルデゴートside】

サイレンの響く中、運悪く私は穴の近くにいた

「人間がふる……か……」

全く狩りに人間界へいくならばまだしも降ってくるとなると厄介だ
魔界だからこそ有意義に人間観賞できるのに
そっちからくるなんて面倒だ
更に見つけたら逃げるか捕らえて王宮に行かねばならない
全くもって面倒
さっさと家に帰るか
そう思っていた矢先

「おわっ！」

「グエッ……」

……降ってきた
それも頭に落ちてくるときた

「いってぇ……！」

「きっさま……！」

「ヒィッ！？」

首根っこを引っ付かんで睨んでやれば哀れにも悲鳴を上げた
ったく

「……」

じーっと人間を見つめる

「何も無傷で王宮に運べとは言われていない。なら、少し位食べても良かろう。」

「はっ……」

途端人間が青ざめる
ああそそる
食欲を駆り立てる

「ひっ……」

「漏らすな。」

私は人間の口許に吸い付いて悲鳴を食らった
まぁまぁだが悪くはない
食らえば食らうほど嗜虐心が刺激される
食べ終わると人間は目を回して気絶していた

「さて、と。面倒だが王宮にいかねばな。」

スカウト達からどう逃げようかと算段を立てているとふと、見知った顔がいた
それもあんまり会いたくない王宮の者と一緒に

「「ゲッ。」」

なぜかルイースとハモる
目が合う
立ち止まる
おい、今の声は私にたいしてか軽く絞るぞ
向かっている先からして、列車の補修にでもいくのだろうか

どういうことだ→←【第一章】過去との繋がり

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す