横子さんの憂鬱�� ページ32
倉子side
「私と横子さんとくまさんと、」
「おおくらです。」
「あ、おおくらさんと安田さんと、
丸山さんも食べます？」
「できれば。(笑)」
「という事は、5人かしら。」
「あらぁ〜5等分って難しいかしら。」
「横子さんいつもケーキきってるけど、
6個に切ってるから。」
「どうしようかしら？」
安田さんがケーキ切るのは難しいって言うから、
じゃあ私が切りましょうかって、横子さんが
言ったんだけど、
「そんな難しく考えなくても、いいんじゃない？」
「そうかしら。」
「横子さんは、真面目なんですね。」
「とりあえず6個に切って食べられる人が食べたらどう？」
「作った人は、食べんでも良くない？」
「また、そんなことを。」
「私もみんなと食べたいですよ。」
「こんばんは。」
「あ、6個目が来た。」
「え？6個目ってなんですのん。」
突然、村上さんが店に入ってきた。
「村上さん、いらっしゃいませ。」
「こんばんは。」
「今日はやけに、にぎやかですな。」
「今ここで、ケーキの試食会をやろうとしてたんです。
村上さんも、いかがですか？」
「あなた達が作ったんですか？」
「いや、私達じゃなくて、こちらの、」
「はい、私です。
私、丸山と申します。
カフェ、roundのオーナーをしておりまして、」
「私がバイトしてるとこなの。」
「倉子さんが？」
「そうよ、私だって働いてるのよ。(笑)」
「倉子ちゃん、この方は？」
「あ、お隣さんよ。
今住んでるとこの、お隣さんでね、村上さん。」
「こちらは、そのバイト先の先輩で、」
「横子です。」
「色、白いですね。」
そんな事いわれたものだから、とたんに横子さんの顔が真っ赤になった。
「じゃあみんなでいただきましょう。」
チーズケーキをあてに、私たちは白ワインで乾杯した。
「乾杯〜。」
この時は、これから始まる丸山さんと村上さんと横子さんの三角関係に、気づきもしなかった。
「このケーキ、めっちゃ美味しい。」
なんて、呑気な事言ってたんだから。(笑)
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作者名：niko | 作成日時：2019年12月27日 22時
