bar big bearへようこそ！2 (ページ18)

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倉子ちゃんと猫のつんちゃんと村上さん8 ページ18

村上side

俺、なんであんな事、言うてしまったんやろ。

部屋の窓を拭きながら、俺はそんな事を考えていた。

この部屋に引越してきたらって、若い女性に
言うてまった。

あほやろ？俺。

これからどないしてったらええんやろうか？

不動産会社をやりながら、芸能界でもちょこっと仕事をしている俺、村上信五。

芸能界って、華やかな世界やと思ってた。

のに、付き合いは仕事関係のお偉さんばかり。

ただ、大好きな猫の話、したかっただけなんや。

玄関のドアをチェックして最終確認を済ませると外へ出た。

明日引越してくるって、言うてたなぁ。

手伝ってくれる人はいるって言うてたしな。

女性なんやろうか？男性なんやろうか？

もしかして、付き合ってる彼氏さんとか？

あかん、いろんな事が頭をよぎる。

明日も早いから、はよ寝よ。

三十路をすぎて、一人で寝るのも慣れている。

はずやのに、ふっとした瞬間に寂しさの風が吹く。

俺も年取ったっていうことなんやろか。

寝室から見る窓の外の景色はそう考え始めると寂しくて。

ふと、横を見ると笑って見つめ返してくれる
人・・・なんて、(笑)

おって欲しい。

「にゃぁ～。」

「なんや、チイ。
お前も寂しいんか？」

「にゃぁ～。」

「お互い、良い友達になるとええな。」

「にゃぁ～にゃぁ～。」

ほな、寝るぞ。
おいで。

「にゃぁ～❤」