短編集 1 (ページ22)

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舞台の後で～倉とやすの物語～1 ページ22

緑side

鍋の材料も切り、テーブルにセットした。

「早く帰ってこないかな？」

1時間前に東京駅に着いたからというLINEを

もらってから俺は、夕ご飯を一緒に食べるた

めに、せっせと支度をしている。

あ、俺は大倉忠義。

仕事は一応、アイドル。

アイドルがご飯の支度をしているのもおかし

な話なのだが、付き合っている彼のため、

彼女みたいなことをしているのだ。

そう、彼とは同じグループのやすこと

安田章大なのだ。

彼は今、舞台の仕事をしている。

というか、昨日まで大阪で舞台をしていた。

それが終わり今日やっと帰ってくるのだ。

この何ヶ月の間、練習に差し障るからって、

グループの仕事の後もそそくさと自分の家に

帰ってしまったし、俺が寂しいって言ったら

これで我慢して、ってツアーグッズの自分の

人形を手渡された。

これを抱いて寝ろ！っていうのか。

やすのバカ。

あー、もうほんとに～。(泣)

ぴんぽ～ん。

あ、帰ってきた。

「はーい、」

「あ、俺！帰ってきたで。」

急いでドアを開けると、そこには教祖様がた

っていた。

「あれ、いつから教祖様になったん？

この前は、髭なんか、無かったやん。」

「たっちょん、ただいま。

遅くなっちゃった。

何か変かな？」

「そんなことないけど。(笑)」

kissするのに髭が邪魔だ！なんて、決して言えませんけどね。