ふたつ手と手。�� ページ4
おーくらside
「今年の桜は二人で見に行けるね。」
カフェからの帰り道、
そっとやすが呟いた。
「ほんまやね。
今年は、お団子食べながらお花見しよか。」
「もう、おーくらったら。
花より団子なん？(笑)」
「当たり前やん。(笑)」
「俺もほんまはそうだけどね。(笑)」
「ハハハ・・・。(笑)」
こんな穏やかに笑いあえる日々がくるなん
て。
あの告白の返事、
思いがけないやすからの返事、
ずっと好きだったんだ。
という事は、
俺たちずっと片想いだったの？
これでお互い、片想いから卒業ってことだよ
ね。
無事、卒業証書もらえたんかな。
「なぁおーくら？」
「ん？」
「ちょっと目、閉じて？」
「こう？」
俺がそっと目を閉じると、やすはそっと俺に
Kissをした。
彼の口から注がれる愛情。
幸せはいつも近くにいてくれるんやね。
それに気がつか気がつかないですぎてしまう
か、なんだろな。
「おーくら、顔がにやけてる。(笑)」
「お、おまえなぁ。」
「うふっ。」
「うふっ、ちゃうし。
ほら、帰るで。」
そう言うと俺はやすの手を握った。
なんて温かい手。
きっと心が温かいから手も温かいんだろな。
「おーくらは手まで、でっかい。(笑)
やっぱり、くまさんみたいや。」
いつもお前を守るくまさんなんだよ。
二人で歩く街並み木。
「あ、そういえば・・・。」
「どした？」
「ふたつ手と手。」
「あ、俺たちの歌。」
「そう。
今、思いだしたんだ。
嵐の中でも傍にいられたらいいな
くだらない事に隣で笑えりゃいいな
10年先に向かって 何十年経ったって
優しく重ねる ふたつ手と手
「俺たち、こうなりたいね。」
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作者名：niko | 作成日時：2021年3月15日 19時
