七夕のお願い。�� ページ26
おーくらside
今年もこの時期がやってきた。
織姫様と彦星様の一年に一度の逢瀬の日。
つまり、おデートの日ということになる。
「今年は一緒にいれないのか〜。」
歌番組での歌唱が終わり、着替えをしていた
俺の隣でやすが呟いた。
「ごめんね、織姫様。
近くにいてあげられなくて。」
「仕方ないよ、お仕事だもん。」
俺は舞台で京都やわ。
やすも舞台が始まるんやけど、東京やか
らな。」
「せめて東京にいられたら良かったのに。」
「ドラえもんでも、いたらええのに。」
「ん？なんでドラえもん？」
「だってどこでもドアで、すぐに会いに行
けるやん。」
なんて可愛いこと言うてくれるんや。
いますぐにでもお持ち帰りしたいのに、
か、体がぁ、ついていかない。
我ながら、情けない。(泣)
「今日はゆっくり寝てね。」
「ひとりで？(泣)
さっき・・・。」
「ん？」
「ひとりにしないって、歌ってたやん(泣)」
「はい、駄々こねないの。」
「ふぁーい。」
「じゃ、途中まで一緒に帰ろ。
お疲れ様でした〜。」
俺たちは二人で外に出た。
疲れた体に夜風が気持ちいい。
俺はやすの手を握った。
「ちょっと充電させてな。」
「ええよ。(笑)」
「二人で歩くのも、しばらくお預けやね。」
「ねえ、」
「ん？」
「織姫様と彦星様って、なんで一年に一回
しか会えなくなっちゃったんだろね。」
え？そこ？
そこが不思議になるん？
「えー、なんでなんやろ？」
「何かやらかしちゃったんやろか？」
「そういうこと？」
「ちょっと調べてみて？」
「わかった。」
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作者名：niko | 作成日時：2021年3月15日 19時
