倉とやすの物語�� ページ19
やすside
「あー、よく寝た〜。」
って俺いつのまに寝てしまったんだろ。
それに、ベッドに寝た記憶が・・・ない。
もしかして、おーくらが運んでくれたのかな
ぁ。
隣を見るとまだおーくらは寝ていた。
ほんまに俺でいいのかな。
おーくらはイケメンさんだ。
身長も高いし、スリムだし、顔は小さいし。
どんな女性もほってはおかないタイプなのに
よりによって、俺？
大丈夫なんかなぁ。
「なぁ、また何考えてんねん。」
「あ、おーくらおはよう。」
「おはよう、よく寝れた？」
「うん、久しぶりに気持ち良く寝られた
よ。」
「それは良かった。」
「それでね、」
「ん？どした？」
「ほんまに俺でいいの？」
そう言うとおーくらは突然、大笑いし始めた
。
「このシチュエーションでそれ聞く？(笑)」
「だよね。(笑)」
ひとつのベッドに俺たち二人。
「こっちおいで。」
おーくらは手を伸ばし、俺の体を引き寄せ
た。
「まだそんなこと言うてるの？
馬鹿だなぁ。
俺はこの20年以上、お前一筋だからさ。
もういらん心配したらいかんよ。」
自分の事、こんなに思ってくれてたなんて。
「あんな、おーくら。」
「どした？」
「俺の事、抱いてくれる？」
そう言うと、やんわりと俺の体を抱きしめて
くれた。
「時間になるまで、こうしていよう。」
「うん。」
ますます穏やかになっていく心。
おーくらはずっと俺の事、助けてくれていた
んだね。
「これから、俺の家にも泊まりに来てくれ
る？」
「ええの？」
「あたりまえやん。
そんでな、二人で一緒に使えるような食器
も揃えよう。」
「ほんまに？」
「毎日の生活が楽しくなるように、
二人でいろいろ考えながらやっていこう。
それにご飯も一緒に作ったり、食べにいった
りしたいよね。」
お互いが幸せだなって思える事を、積み重ね
て行きたいな。
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作者名：niko | 作成日時：2021年3月15日 19時
