女同士のまったりトーク。�� ページ1
安子side
あー、また迷子になっちゃった。(泣)
ちゃんと言われた駅で降りて、曲がり角も言
われた通りに曲がったのに。
なんでこうなるの？
もう〜。
村上不動産の前で倉子ちゃんを待ちながら、
途方に暮れていた。
「安子ちゃ〜ん。」
「あ、倉子ちゃん。(泣)」
「お待たせ〜。」
「ごめんね、迎えに来てもらって。」
「大丈夫よ、ここは毎日のように来てるか
ら。」
「毎日？」
「ここ、私の勤め先の村上不動産。」
「あー、そうだ！
そうだった。
気がつかなかった。」
と私が言うと、倉子ちゃんは人目を気にせず
笑い始めた。
「私、安子ちゃんのそう言うとこ、好き
よ。」
「そうなの？(泣)」
「そうよ。
私、安子ちゃんのそういう素直なとこ、見習
わなきゃって思うもの。」
「ほんとに？」
「ほんとよ。」
「私ね、いつもとぼけてて天然って言われ
るんだけど、それが良いのか悪いのかがわ
からなくて。」
「私からしたら、羨ましいくらいだわ。
物事をどうしても斜めに見がちなのよ、私
の場合。」
「そんなこと無いと思うんだけど。」
「安子ちゃんは優しいのね。」
「だって物事をいろんな角度から見られる
って事だと思うもの。
私なんて、どちらかというと単純に物事考え
がちだから。」
「じゃあ二人合わせてちょうどいいってこ
とね。(笑)」
「ほんとよね。(笑)」
「私ね、丸子に感謝しなくちゃいけないと
思ってるわ。
こんな可愛いお友達を紹介してくれたんだか
ら。」
「私もそう思うわ。」
「じゃあ今度二人でお礼言おうか？」
「それがいいわ。
丸子がいなかったら私たち出会ってなかった
かもしれないもの。」
「たまには丸子も褒めておかなきゃね。
あ、そういえば聞きたいことがあったの
よ。」
「なぁに？」
「なんであのbar知っていたの？
この前聞き忘れちゃって。」
「あー、それは・・・。
私が渋谷に遊びに行った時に迷子になって
しまって、道を尋ねた人がおーくらさんだっ
たんです。」
「迷子？(爆笑)」
「めっちゃ恥ずかしいんだけど、私よく迷子
になっちゃうみたいで。(泣)」
「なるほどね。
そういう事だったのね。」
「どうしていつもどこかに行ってしまうのか
しら？」
「でも、迷子も悪いってことばっかりでも
無いのかもしれないよ。」
「え？」
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作者名：niko | 作成日時：2021年9月6日 13時
