焼き餅はお好きですか？�� ページ14
おーくらside
俺はふと、思った。
やすが好きなのは、焼き餅。
俺が焼きやすいのは、ヤキモチ。
言葉は一緒やけど、こうも違うものなのか。
焼き餅は、美味しい。
ヤキモチは、美味しくない。
やすは俺に対して、ヤキモチを焼くことが
無いんだろうか？
俺はやすに対して、すぐヤキモチを焼いて
まうのに。
「なぁ、おーくら。
お正月はどうするの？」
「どうって、何処もいかれへんからさ、
家におるで。」
「今年は、初詣も無いんだよね。」
「やっぱり、そうか。」
「だからさ、お雑煮どうする？」
「お雑煮？」
「うん、やっぱりお正月ぐらい食べたいや
ん。
おーくらは食べへんの？」
「そもそも、お雑煮って何でたべるん。」
「ちょっと待ってて。」
そう言うと、やすは携帯で検索し始めた。
神様の魂が宿る、縁起物の餅を加えた、温かい汁物を正月に食べることで、1年の無病息災を願ったのです。
「ほら〜やっぱり食べたほうが、ええやん
か〜。食べようや、一緒に。」
「一緒に、食べるの？」
という事は、正月も一緒にいれるん？
ほんまに？
ひとり寂しいお正月にならんで、ええの？
「作る、作る、お雑煮、作るわ。
そんで一緒に、お雑煮食べる。」
「おせちはどうする？」
「あー、おせち料理ね。
どこかで買ってくるか、頼もうか？」
「それもええけど、」
「ん？他に何かあるん？」
「一緒に買い物行かへん？
いろんなところで食材買って、自分で詰め
てみない？」
「げ？まじ？」
いや、ちょっと待てよ。
ということは、まだまだやすと一緒に過ごせ
るという事？
でも、どんな顔して男ふたりで買い物、すん
ねん。
めっちゃ恥ずいやん。
でも、やすと一緒にいられるんは、最高やし
どないしよ〜。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 34人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：niko | 作成日時：2020年12月21日 21時
