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矛先を向けるべきは ページ24

Dー5。薄暗い森の中、二人の少年が対峙していた。

「!! て……」

一人が相手を見るなり、驚いたように声を上げる。しかしその刹那。



……その少年の喉に鋏の刃が食い込み、血飛沫が飛び散った。



_________





倉間が渋々了承すると、神童は僅かに寿命を伸ばされた感謝からか穏やかに微笑んだ。

「ありがとう。……俺が話したいのは、秋元のことだ」
「秋元……この殺し合いの元凶」
「そうだ。俺は秋元を知らないし、奴がなぜ、そしてどうやってこの殺し合いの場を用意したのか……何もわからない」

サッカー部に恨みがあった? たとえばフィフスセクターの残党で、革命を起こした雷門サッカー部を憎んでいる?
島を丸々ひとつ買い上げて整備し、そこにサッカー部員たちを誘拐した? それほどの財力がある人間?
秋元のことを知る権利があるのは、多分最後まで生き残った者だけ。それすらも生きて帰れる保障がない、絶望的状況。彼らにできるのは一方的に押しつけられたルールの中で足掻くことだけ。

「あいつのことなんか、俺たちが議論したって答えは出ねえだろ」
「俺はどうせ死ぬ。だからお前たち生き残った奴らに託したいんだ。秋元への復讐を……」
「………復讐?」

何を言ってるんだと倉間は鼻で笑った。生き残りたいがために仲間を殺すような人間に、秋元を倒す度胸などあるはずもない。相手は未知の手段で自分たちに殺し合いを強いた人間だ。

「霧野は信助に殺され、狩屋はお前に殺された。けど、俺たちが矛先を向けるべき本当の相手は秋元。そう思わないか?」
「思わないな。そう偽善ぶったことを考えてる仲間想いの素敵な人間は……お前だけだと思うぜ」

倉間は殺す気こそあれど、生き残る気は無い。自分が地獄へ堕ちるのは確定している。ゆえに、神童の望みに応えることはできない。

「それはつまり、俺の頼みは聞いてくれないと……」
「残念でした。じゃあな、神童」

倉間がそう言って、神童の頭に弾丸を撃ち込もうとした時。


























拳銃を持つ手に、鋭利な刃物が突き刺さった。

なぜ→←美しい友情



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紅蘭 - 続き楽しみにしています!更新頑張ってくださいね! (2020年5月3日 20時) (レス) id: c9c79794b0 (このIDを非表示/違反報告)
浜野鶴正 - 更新お願いします (2018年7月28日 1時) (レス) id: 76900bd172 (このIDを非表示/違反報告)
常連客 - 頑張って下さい。面白いですね、○し合いなのにグロ要素が無いという全年齢対象で、とっても良いと思います。浜野防弾チョッキって最強(?)じゃん・・・;; あれ?倉間ってナイフじゃなかったっけ??・・・・・あ!水鳥のか・・・www (2015年5月27日 10時) (レス) id: e00034d299 (このIDを非表示/違反報告)
モブ子 - 面白いです!浜野がなにげに生き残りそうです…更新頑張ってください! (2014年12月14日 15時) (レス) id: 9b39510a3b (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - 続きが楽しみです! (2014年11月14日 22時) (レス) id: 41ef129427 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ココナッツ | 作成日時:2013年5月7日 17時

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