【イナズマイレブン】怪傑の奇術師【男主】 (ページ8)

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一度校内に戻って練習着に着替えた白石は、心なしか俯きがちになってボールを蹴る円堂の横を歩いていた。
そんな彼等に声をかけたのは、マネージャーの木野秋である。

「円堂くーん!白石くん!」

「おお、木野!」

「ごめん、グラウンド借りられなくって……」

申し訳なさそうに言う秋に白石は『仕方ないさ』と慰めた。そう簡単に実績のないサッカー部にグラウンドを渡してくれるほどどの部活の甘くはない。
秋は部室の方に目をやると「皆は？」と2人に尋ねる。

『いつもと同じだよ』

「練習しろって言ってこようか?」

「いいよ、そのうちきっとやる気になってくれるさ。アイツ等だって本当はサッカー大好きなんだから」

どこか期待を込め目で彼等の居る部室を見つめる円堂。そんな円堂の顔を、秋は覗きこんだ。

「じゃあまた河川敷行くんだ!
……小学生のチーム相手で、練習になってる?」

秋の言葉に円堂は少し黙るが、すぐに笑顔を浮かべる

「……アイツ等、結構やるんだぜ!木野も見りゃ分かるって!」

どこか無理をしている様子の円堂を白石は横から見て、部室に目を向けた。
本当は小学生相手ではなくサッカー部の皆と練習をやりたいと想っているはずなのに、どうして気持ちがすれ違ってしまうんだろうか。

「それにAも居るしさ」

呼ばれた白石は部室から目を離して、円堂に笑いかけた。