48 ページ48
「A!部活来るか?」
『ごめん、今日も行けない』
「A!サッカーしようぜ!」
『守、今日も無理』
「A!!サッカー!!」
『俺はサッカーじゃないから無理です。』
同じような会話を2.3回ほど重ねた白石は、部活に来いと誘う円堂を苦笑いで見つめた。
豪炎寺から話を聞いたにも関わらず、円堂は俺はそんなの聞いてないと言わんばかりに絡んでくる。
嫌、ということは全くないのだが、ここまでくると呆れてしまう。
『なぁ守?俺暫く休むって豪炎寺くんが言ってなかったか?』
「ああ言った!」
『しゃあなんで、』
「俺はAとサッカーしたいんだ!お前のシュート受けなきゃ、満足できない!!」
放課後の教室。まだ数人残ってると言うのに円堂は思いきり叫んだ。
それはもう、廊下で歩いてた生徒達が顔を覗かせるくらいには大きな声で。
白石はこれ以上の視線を受けるのはまずい、と察して円堂の手を引いてとりあえず外に出る。
『守の言いたいことは分かったよ。
でも、今はどうしても無理なんだ』
慰めるように円堂の隣で笑う白石。
円堂はそんな彼の表情を見つめて、言葉につまる。
「……」
『ごめん』
白石は優しく円堂の頭を撫でると、それだけを言って帰路についてしまった。
それを見ていたサッカー部の風丸、染岡は目を合わせてため息をつく。
「……アイツ等があんなになってんの始めてだ」
「俺もだ。
変な事にならなきゃいいけどな」
99人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:-naki- x他1人 | 作成日時:2018年5月28日 20時