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「アイツ等、大丈夫かな?」
『……ん』
一通り練習メニューを終え給水をしている風丸は土手の斜面に座る円堂と染岡に目を向ける。まずい雰囲気になってないところを見ると、今のところは大丈夫そうだ。
同じように給水していた白石は、風丸の肩を心配ないよと叩いて彼等を眺めた。
『守ならなんとかしてくれる。
それに多分2人ともそろそろ戻って……あ、ホラ来た』
何処かスッキリした表情の染岡と笑顔でこちらに駆け寄ってきた円堂。
苦悩している部員を正しい方向へ導こうとするのも、主将の義務でありそれをやってのける円堂は自分たちが想像するよりも素晴らしい人間なんだろう。
染岡と円堂はその後の試合形式の練習から加わることになった。
「(負けないぜ……!!
豪炎寺にもAにも、絶対負けない!!)」
『染岡くん!』
心中で闘志を燃やす染岡に白石からパスが渡ってきた。
「てやぁッ!!」
染岡の蹴りあげたボールは青い龍を纏いながらゴールキーパーの円堂に向かって行く。
円堂は目を見開いた。今までとは違うシュートに何の反応も見せず、ボールはゴールネットにぶつかった。
「すっげぇ……」
「今までのシュートとまるで違う!」
「今なんか、ドラゴンがガァーッと吠えたような」
「僕もそんな感じしましたよ……」
上から栗松、風丸、半田、少林が今までとは違う染岡のシュートに声を唖然と声をもらし、必殺技の気配をひしひしと感じた白石は染岡に近付いた。
『やったね、染岡くん』
「白石…！
これが……これが俺のシュートだ!!」
雷門サッカー部全員が染岡の必殺技の完成に喜ぶなか、ひとり、その輪に近づいてくる。気配に気付いた白石と円堂はそちらを見やった。
「あ、豪炎寺……」
豪炎寺くんは黙って皆の前に立つと、瞑っていた目を開けた。
「円堂。俺、やるよ」
「!……豪炎寺ィ!!」
重ね重ね良いことだらけの雷門サッカー部。
豪炎寺はそんな彼等を見つめて頬笑みを浮かべた。
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作者名：-naki-
x他1人 | 作成日時：2018年5月28日 20時
