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ーーー
「このシュート……決めさせるもんかぁ!!」
「!」
「く、…うわぁっ!?」
円堂の必殺技の予兆があったが、惜しくも19点目を取られてしまった雷門。
観に来ている生徒の大半がこうなることを予想していたであろうに、いざこの惨状を目前にすると呆れる声も出なくなっていた。
ゴールを守ろうとした円堂はボールの威力に押されて倒れこみ、立てる力が残っているのは露骨に狙われていない白石とボールから逃げ続けていた目金の2人だけ。しかも目金は「もう嫌だぁ!」と叫ぶと、ユニフォームを脱ぎ捨てて敵前逃亡。
白石が彼を止める暇もなく目金は駆けていった。
「無様だな」
「無理だ。お前らじゃ俺達から2点目をとることすらな」
そう言って笑う帝国サッカー部。
白石はゆったりとした動きで、何も言わずに彼等を見る。
そんな彼を眺めていた倒れている円堂の中で、白石の声が再生される。
"『折れてくれるなよ_。』"
これからの惨状を思い描き、それでも抗おうとした白石の願うような目。
その瞳を思い出した円堂は「まだだ!!」と叫ぶ。
「終わってねぇ……まだ、
終わってねぇぞ!!」
フラフラになりながらも立ち上がった円堂に鬼道と豪炎寺は驚き、白石は酷く安堵した。
試合前にかけた言葉を彼は思い出してくれたのか、円堂の辞書に諦めるという言葉はないようだ。愛すべき根っからのサッカー馬鹿である。
円堂の言葉に触発された帝国選手のシュートが円堂を襲う最中、白石は木の影へと振り返っていた。
『……もういいだろ。』
静かに呟くと木の影に居る豪炎寺に手を伸ばし、驚く豪炎寺に真剣な目を向けた。
『そろそろ来てくんないかな。もう、待ちくたびれたよ』
遠くから差し伸べられた手は、伸ばして届くようなものじゃない。
一度サッカーから逃げてしまった自分には＿＿簡単に掴めるようなものではないと分かっている豪炎寺は視線を逸らす。
それでも構わず、彼の名前を呼んだ
『ね、豪炎寺くん。』
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作者名：-naki-
x他1人 | 作成日時：2018年5月28日 20時
