【イナズマイレブン】怪傑の奇術師【男主】 (ページ1)

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翡翠色の髪を風に靡かせ、雷門中学校の門を潜り抜けた白石は、深緑の葉が生い茂る景色に手を伸ばした。丁度落ちてきた木の葉が彼の掌に乗る。

『…もうそんな季節か』

誰にも聞こえない声で呟いた白石は、校舎に続く道の横にあるグラウンドを見る。その横顔は少し楽しげで、新しい相棒を見つけたように笑っていた。
そしてそのグラウンドもまた、彼を歓迎するように一層と輝いている。

『今年からよろしく、雷門さん』

ーーー

時は少し進み、円堂守の居るクラスでは季節はずれの転校生の話で盛り上がっていた。
1年生。しかも夏休み前という微妙な時期に転校してくる奴はいったい何者なのかと、クラスの誰もが噂を立てている。

恰幅の良い男だとか。
此の世の者とは思えない美少女だとか。
子供の様な外見だとか。

人によって噂は様々。

だがそんな噂もほったらかしで、賑やかにも関わらずお気楽に寝息を立てている少年が1人。そんな彼を起こそうと肩を揺らす少女が1人。

「円堂くん!円堂くんってば!!」

「…なんだよ木野…放課後か？」

「まだ授業すら始まってないよ。
転校生が来るんだから、今日くらい起きてたら?」

「あぁ転校生……えぇっ!転校生!?」

円堂守は勢い良く立ち上がるとその反動で椅子は後ろに倒れる。
教室にいる全員の視線を集めるくらいには、大きな音だった。