【イナズマイレブン】怪傑の奇術師【男主】Ⅱ (ページ4)

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何も出来ない雷門に対し、野生中は思い思いにシュートを打ち続ける。それでも点が入っていないのは手の痛みを我慢してまで止めている、我らがキャプテン＿円堂のおかげだ。

手が痛みに耐えられなくなってしまったら、頭で止める。
フラフラになっても立ち続ける円堂は、大きく両手を広げた。

「ゴールは、割らせない!!」

「……どうして、そこまで」

壁山の疑問には誰も答えない。
ただその呟きを白石はしっかりと聞いていた。

円堂ばかりに無理はさせられないと、複数でプレスをかける作戦に出た雷門。こうなるとシュートにはいけずパスを回すしかない。所謂"ゾーンプレス"というものなのだが、相手以上に動くため、体力の消耗が激しいディフェンスである。

『っ、はぁ』

「大丈夫か?A」

『なんとか、ね』

白石の頬から伝った汗が芝生の上に落ち、さすがの彼でも体力の浪費が激しいことを分からせた。そもそもここ数日満足にサッカーをしていなかった彼がフルで試合に挑むのは、無謀とまでは言わないけれどなかなか挑戦的なことであった。

1日休めば3日戻る。
白石は昔所属していたサッカークラブのコーチの言葉に、今賛同した。

それでも走る白石を。仲間を見た壁山は、口を開く

「でも、俺は……」

「目を開けろ壁山!」

豪炎寺にそう叫ばれ、壁山はゆっくり目を開けた。

「皆、疲れてるのに……キャプテンはあの手で、シュートの痛みに耐えてる。白石さんだって、久しぶりに動くはずなのに……誰も諦めようとしない。

何故ッス。何故そこまで!」

『＿＿信じてるから。
豪炎寺くんと壁山くんが、点を取ってくれるって。本気で信じてる。』

壁山の問いに答えたのは、息絶え絶えな白石だった。