イナズマイレブン～FF編～第1巻 (ページ22)

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（２０）調子ページ22

今日は学校のグラウンドが使えないので、河川敷で練習することになったのだが……。

染岡「うおォォォォらあああァァァッ！！！！」

松野「うわあぁっ！」

松野にスライディングする染岡は、どう見てもストレスを他人にぶつけている様にしか見えない。

影野からボールを奪う時だって、無理矢理ユニフォームひっ掴んでいてどう考えても反則だ。

半田「染岡！今のはファウルだろ！？」

半田が注意しても、染岡は聞いていないようだ。

……なにやってんだか。完全に怒りにまかせすぎだろ。故障したらどうしてくれんだよ。責任取れんのか。

円堂「どうしたんだよ染岡？」

染岡「……っ、こんなんじゃダメだ！」

息を切らして叫ぶ染岡。

宍戸「染岡さん、ちょっとラフプレー過ぎますよ」

染岡「そんなことねぇよっ！」

春奈「木野センパーイ！天空センパーイ！」

聖悟「…………」

秋「あら、また取材？」

春奈「いいえ！今日は練習の見学です！私、あれから雷門イレブンのファンになっちゃったんです！もうみんなが一生懸命戦う姿がカッコよくって！」

秋「それはどうも……ありがとう」

春奈「でも、何か今日は息が合ってませんね」

秋「うん。染岡くんがね、たぶん次の試合が決まって焦ってるんだと思う」

春奈「次の試合？どことやるんですか？」

秋「尾刈斗中よ」

春奈「尾刈斗中！？えぇえ～っ……」

秋「どうしたの？」

春奈「センパイ知らないんですか？尾刈斗中って、色々怖い噂があるところですよぉ…」

聖悟「それは僕も思ったんだ。何せココの今のレベルじゃ、簡単には勝たせてくれない相手だからな。
……アイツらも、わりと“運”ってのが向いてないな」

ヘッドフォンを外して首に掛け、ベンチから彼らを観察する。秋は首を傾げた。

秋「怖い噂って……？」

聖悟「今にわかるよ。

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…そう、アンタらがボロボロに潰されて無様に負ける姿をな」

そこに願ったのは希望も何もなくって、ただただ泣きに泣き続ける未来しかないだろう。

…“奇跡”なんて、絶対起こらないんだ。

そんなことがあるのならば、僕は今、“幸せ”なはずだから。

聖悟「音無さん、木野さん。みんなを呼んでくるよ」

春奈「あ、お願いします！」

さっきの言葉は聞こえてないようだ。

僕はベンチから立ち上がり、スマホとヘッドフォンを置いてみんなの元へと駆け出したのだった。