(15)ひとまず、勝利 ページ17
円堂がデスゾーンを止めて、僕にボールを投げてきた。トラップしようとしてジャンプした時だった。
──壊せ──
…誰の声だったのだろうか。
柔らかな優しい声と憎しみのある低い声が混ざり合って、僕に何かを伝えているようだった。
かつて、前にも聞いたことがあるような……
でも、思い出せない。
……いや、今は試合に集中しよう。
ただの幻聴かもしれない。
聖悟「修也くん」
豪炎寺「おう!」
修也くんへとセンタリングをあげ、彼は素早くヒールリフトでボールを空中に蹴り上げた。
源田「……!?」
豪炎寺「ファイアトルネード!」
炎を纏った左足で空中からボレーシュートを放った。
急落下するボールは、源田が横っ飛びをしたにも関わらず、そのままノンストップでゴールに突き刺さった。
角馬「ゴール!ついに、ついに!雷門イレブン、帝国学園から1点をもぎ取りましたぁーっ!!」
影山「……ここで終わりだ。データ収集は完了した。スーパーストライカー豪炎寺のシュート、少しも錆びついてはいない」
審判「たった今、帝国学園から試合放棄の申し出があり、ゲームはここで終了!」
角馬「なんと!帝国学園、試合を放棄!
これは雷門イレブンの勝利とも言える事態です!」
鬼道「円堂守か……。思わぬ収穫があったな」
秋「ねぇねぇ!これって記事に書いてよね!」
春奈「えぇ!」
秋さんどころか、音無さんも喜びを隠せないではしゃいでいた。
円堂「よく来てくれたな!これで新生雷門サッカー部の誕生だ!豪炎寺、これからも一緒にやっていこう、ぜ……」
円堂の話すことを無視し、豪炎寺はユニフォームを脱ぐと、円堂に向けて放り投げた。
豪炎寺「今回限りだ」
それだけ言い残すと、修也くんは去っていった。
円堂「あ、豪炎寺!……ありがとな。ありがとう!」
壁山「キャプテン、止めないんスか?」
円堂「良いんだよ!さあみんな!見ろよ、この1点!この1点が、雷門の始まりさ。
この1点が!俺たちのはじまりだあぁーっ!」
「「おぉーっ!!」」
……バカだな。あれだけ痛めつけられといて、サッカーを嫌いにならないなんて……。
円堂守、アンタの考えがわかんねぇよ。
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マナ - 雷雨さん» こんばんは…! (2021年6月15日 17時) (レス) id: 080dd1eb98 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ(プロフ) - 雷雨さん» 冬花ちゃんみたいに夢主の所に豪炎寺がやってきて話をするとかは? (2021年1月1日 16時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ(プロフ) - 雷雨さん» ここではなんですので… (2021年1月1日 15時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
雷雨(プロフ) - ミヤさん» あ、どうぞどうぞ! (2021年1月1日 15時) (レス) id: b56424d09c (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ(プロフ) - 雷雨さん» ボートに書いていいですか? (2021年1月1日 14時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
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