イナズマイレブン～FF編～第1巻 (ページ13)

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（１１）ふわふわページ13

寺門のシュートは真っ直ぐに円堂の正面へと飛んでゆく。

そのボールは円堂のグローブの掌を回転した後、彼の腹に直撃してゴールへと押し込まれた。

角馬「あー！帝国、早くも1点！何というスピード！何というパワー！
これが全国にその名が轟く、帝国のサッカーなのか！？帝国サッカーの真の姿なのかー！？」

秋「円堂くん……！」

角馬「雷門イレブン打つ手なし、なす術無し！」

壁山「キャプテン…」

半田「円堂！！」

雷門イレブンのみんなが円堂の元に駆け寄った。

円堂「ぐっ……。みんな、すまない。止められなかった……」

ズキズキと痛む腹を抑えつつ、起き上がる。

彼の目には悔しさが写っていながらも前をしっかり向いているようだった。

半田「くそっ、あんな早い攻撃、どうしようもないよ！」

栗松「俺たち、着いて行けないでヤンス……」

円堂「何言ってんだ！まだ始まったばっかだろ！頑張って行こうぜ！」

円堂は怪我したのにも関わらず、みんなに励ましの言葉をかける。

聖悟「……！」

突如、自分の頭に何かの映像が蘇った。

視界が歪み、円堂の姿に自分の知った人物が重なって見える。

秋「みんな……」

春奈「しゃべる勇気すら無いみたい……」

周りだけでなく2人の声までくぐもって聞こえる。

さっきまで胡座をかいていた足が無意識のうちにベンチの上で膝を折っていて、体をうずくめていた。

聖悟「…………」

春奈「あ……天空先輩？どうしたんですか……？」

不意に頭上から声がしてはっと我に帰ると、さっきのふわふわした感覚は何処かへと消えてしまった。

顔を上げると、音無さんが心配そうに僕を見ていた。

聖悟「…………、別に」

鬼道「…………」

僕が気がついた頃には、みんなが疲れに疲れて汗をタオルで拭きながらドリンクを飲んでいた。

どうやら前半が終わったようで、スコアボードにはこう映っていた。

『雷門０ー１０帝国』と………。

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これ程にも差をつけられると、流石に巻き返すのは難しいぞ、円堂。