【ヒプノシスマイク】シンジュクのNo.1キャバ嬢は今日も笑顔で働きます。【番外編】

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一郎side



『今日は楽しかったなー、ごめんね一郎くんの誕生日なのに楽しんじゃって』


「いや、俺も凄く楽しかったっす」



メイド喫茶を出てからはのんびりと散歩を楽しみゆっくりとした時間を過ごす。

気付けばあっという間に外は暗くなってしまった。



こうしてAさんと二人きりでいられる時間も残りわずか。


そう考えるとせっかくの誕生日も何だか切なく感じてきてしまう。


...情けないな、ほんとに。



『ふふ、何だか寂しそうな顔してる』



二人で夜景を見ているとふとAさんがそう声を掛ける。

やっぱり周りをよく見ている彼女にはお見通しってことか。


―――それなら、


「....寂しいっす」


俺はAさんの腕を引きぎゅっと抱きしめる。

ドクドクと聞こえる心臓の音はきっと俺の心臓の音だろう。



『ふふ、一郎くん可愛い』



俺の肩に顔を埋めながら頭を撫でるAさんはきっと俺なんか弟にしか見えてなくて。

その事実が俺を苦しめるも、だからこそこうして受け止めてくれるのかもしれない。


すると突然Aさんが首に腕を回したかと思えば首に冷たいものが触れた。



『寂しがりな一郎くんにプレゼントです』


「....ネックレス？」


『うん、これで寂しくなったら私の事思い出してね』



首に掛けられたネックレスを見てみる。

きっと俺がどんな服でも合わせられるようにシンプルな物を選んでくれたんだろう。


まさかプレゼントまで用意してくれているとは思わなかったので俺は抱きしめる力を更に強めた。

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