【A3!】清純派女優の裏の顔【摂津万里】 (ページ22)

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裏の顔16 ページ22

万里side

あの時

Aが涙目なのを見た時
一気に頭に血が上った気がした

気付いたら男の腕を掴んでたし
店内なんて、収録なんて
気にしないで怒鳴ってた

自分でもなんでそんな行動
してたのかよくわからない

あの後、寮に帰ってもAの
様子が少しおかしかった

いつものAからは想像も
できなかった

ベッドに潜ったのはいいが
Aの様子が気になって
なかなか寝付けない

・

・

水でも飲もうと思い談話室に入る

ｶﾞﾁｬｯ

「ッ…なんだ、万里かよ」

そこにはAがいた

万里「お前ここで何してんの」

貴女「あ?なんか寝付けねぇから
ここにいるだけ。お前は?」

万里「俺も寝付けねぇから
水飲みに来た」

貴女「ふーん」

会話がなくなり静かになる

貴女「万里」

急に声をかけられる

万里「ん?」

貴女「ありがとう。
あの時、助かった」

万里「そんな何回も礼言う事無いだろ」

ただ、気になった事を聞いてみた

万里「そういやあの時、なんであんな怖がってたんだ?
女優やってんなら撮影とか慣れてるんじゃねぇの?」

そう聞くと顔を俯かせた

貴女「昔…ってほどじゃないけど
女優になって数か月経った頃に…。」

Aの話からすると

町を歩いてるときに変装の為に被ってた
帽子が取れた時に周りの人に気づかれ
囲まれたらしい

貴女「全員がこっちにカメラを向けて
写真を撮ってきた。頭が真っ白になったし
まるで見世物になった気分だった。
まぁ、偶然通りかかった天馬が助けて
くれたけど」

万里「天馬が?」

貴女「まぁ歳が近いこともあって
仲がよかったからな…。」

俺がAと知り合う前から
天馬と知り合ってることを知って
何故か腹が立つ

貴女「それ以来、無理矢理とか
外で撮影中にカメラ向けられるのが
怖くて、手が、震えたり…。」

心なしか声が震えていて
目も潤んでいるように見える

俺はAの隣に座り
頭の上に手を置いた

万里「怖かったんだな
やっぱり女優って大変なんだな」

俺がそう言うとAは
何故か不思議そうな顔をした

貴女「しょうがないとか、言わないの…?」

万里「は?」

貴女「他の人に話したら『女優だからしかたない』
『危機感が足りてない』って言われた…。」

万里「はぁ!?なんだそりゃ…。」