第68話 ページ19
佐久間｢俺達を見捨てて、雷門に行ったお前に何が分かる。｣
佐久間君は、有人君を見て言う。
鬼道｢違う！お前達を見捨てたわけじゃない！俺は、自分が許せなかった。チームメイトを助けられなかった自分が…だから！｣
源田｢綺麗事を言うな！あの世宇子に勝ちたかっただけだろ！お前が欲しかったのも、強さだ！｣
鬼道｢そのために、あの影山についてもいいのか！影山が何をやったか、覚えているだろう！
源田、俺達と一緒に来い！なぁ、佐久間も…｣
有人君は、佐久間君に手を伸ばした。
ﾊﾟｰﾝｯ!
鬼道｢…！｣
佐久間｢あの時…俺達が病院のベッドの上で、どれほど悔しい思いをしたか、お前には分からないさ。｣
源田｢動けないベッドの上で、俺達がどんな思いだったか。｣
佐久間｢雷門イレブンに入り、勝利を掴んだお前には、絶対分からない。｣
源田｢お前には、勝利の喜びがあっただろうが、俺達には敗北の屈辱しかなかったんだよ！｣
A｢そんな言い方ないでしょ！有人君は、私達のためにも世宇子を倒そうって…！｣
有人君は私を制して、2人に頭を下げた。
鬼道｢すまなかった。｣
A｢有人君…｣
不動｢ダッハハハハッ！あの帝国の鬼道が、人に頭下げてるよ！アハハハハッ！｣
鬼道｢すまなかった。お前達の気持ちも考えず、自分だけの考えで行動してしまった。
何度でも謝る！だから、影山に従うのはやめてくれ！｣
佐久間｢遅いんだよ！！｣
ﾊﾞｰﾝｯ!
鬼道｢ぐっ！｣
A｢有人君！｣
鬼道｢佐久間…｣
佐久間｢敗北の屈辱は、勝利の喜びで拭うしかない。｣
ﾊﾞｰﾝｯ!
鬼道｢ぐわっ！｣
円堂｢鬼道！｣
鬼道｢これは、俺とこいつらの問題だ…義姉さんも円堂も手を出さないでくれ…｣
不動｢そうそう。怪我したくなきゃ、手は出さない方がいいぜ。｣
A｢くっ…｣
鬼道｢どうしても…影山から離れないのか…｣
源田｢そうだ。総帥だけが、俺達を強くしてくれるんだ！｣
ﾊﾞｰﾝｯ!
鬼道｢ぐあっ！俺達のサッカーは…｣
佐久間｢俺達のサッカー？俺達のサッカーは、負けたじゃないか！｣
ﾊﾞｰﾝｯ!
佐久間君の蹴ったボールを、円堂君が止めた。
A｢円堂君…｣
円堂｢俺は今まで、サッカーは楽しめばいいと思ってきた。勝ち負けはその結果だって。
だけど、今日は違う。お前達の間違いを気付かせるためには、戦って、絶対に勝ってみせる。
見せてやるよ！本当の俺達のサッカーを！｣
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作者名：苺の花 | 作成日時：2019年10月5日 21時
