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86.手  ページ43

バシッ


A「え・・?!」


私がタイヤを触る前に、誰かが私の前に出てタイヤを思いっきり蹴った。


A「誰?!」


神童「・・・」


そこには、無言の神童くん。


・・怒ってる?


A「?・・神童くん・・」


神童「・・・何やってんだよ」


A「?!」


神童くんの声はいつもと全然違う。


声のトーンが凄く低くて・・怖い。


神童「何やってんだよ・・」


A「何やってるって・・・」


神童「お前、バカか?!」


A「ビクッ」


大声で怒鳴られた。


神童「前に先生から言われただろ?!これ以上やると、手が使えなくなるって!」


A「そ・・・そんなの・・」


神童「お前は、自分の手が使えなくなっていいのかよ!」


A「・・・そんなの知ってるよ。」


神童「?!」


A「だって・・・だって・・」


今まで私がずっと心の奥に潜めていた感情が、いっきに飛び出てきた。


A「私なんて、もういいんだよ!手が使えなくなたって・・」


神童「どういうことだよ!」


A「皆、サッカーで私をGKとして必要としていた・・。もう、GKを出来なくなった私の手なんてみんな用なしなのよ!」


神童「・・・・」


A「だから、もういいんだ!私の手が使えなくなったって・・」


神童「・・・・バカ。」


A「?!」


神童「じゃあ、お前は本当にいいんだな?みんながお前の手を必要としなければ、その手が使い物にならなくなったって・・」


A「・・・あはは。そうだね。・・私は、GKさえしていれば幸せだった。私が、手に怪我を負わなければ、今のような事態にはならなかった!」


そう・・天馬と蘭丸と神童くんがもめたのだって、私の手のせい。


私が、手に怪我を負わなければ、この3人に出会うこともなかったはず・・。


神童「・・・・」


A「・・だから、もういいんだよ。」


====


作者から


次回、「好きです鈴木くん!」(マンガ


の11巻からネタ使わせてもらいます!

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作者名:なつこ | 作者ホームページ:http://www.pixiv.net  
作成日時:2011年4月1日 17時

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