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弐拾壱ノ型 ページ23

貴「……炭治郎、禰豆子ッ……」


お館様の報告
それは私の家族が鬼に襲われた事を意味した
きっとお館様知らなかったんだろう
私が その家の長女だって事、


辺りを見回すと もう真っ暗で
私は大きな岩に腰をかけると月を眺めた


宿命とは 何ぞや
命とは 何ぞや

何故、何かの命を奪ってでしか生きてはいけないのだろうか

何故、人は失ったものばかりを数えてしまうのか



貴「…母さん父さん……ッ ご、めんなさいぃ……守れなかった……誰も…」



私の形になれない謝罪は
闇の中へと溶け込んだ




しばらく、誰にも会いたくない
己の大切なものを守れなかった私に


鬼の命を奪う資格など……ない




私は 駆け出した
ここにはいたくなかった
柱として、彼らに顔向けをできなかった


きっと口を揃えてみんな言ってくれるだろう


『…お前のせいじゃない』 と、



だけど、私のせいだ
私が見失っていたから、、守れなかった

色んな人達にお礼を言われ仲良くなって
浮かれていたからだ





ついた場所は
鱗瀧さんの家だった



鱗「……誰かいるのか?」


変わっていないその声は
私の思い出の大切な場所だった



静かに戸が開く


鱗瀧さんは私を見た瞬間、唖然とした


鱗「何をしているッ…A……その姿はどうしたんだ」


貴「……ぅぅ……助けて、 助けて下さいっ……鱗瀧さん………胸が痛い、痛いんだっ!」



私はその場に崩れ落ちた
もう鬼に会いたくなかった

刀に触れたくなかった



あの頃に戻りたかった




鱗瀧さんは 泣きじゃくる私を見て
肩を持つと 中へと入れてくれた



鱗「……泣き止んだら、何があったのか話せ」


それだけ言うと、私の背中を撫でてくれた






失ったんだよ、私を




私の中の私が 嘲笑うかのように 告げた









しばらくして、泣き止んだ私は
ポツポツと言葉を告げながら

全てを話した
胸につっかえていた全てを
聞いてもらった



なぜ、鬼殺隊になったのか
どうして鬼を殺した後に華を置いたのか


ここに逃げてきたのか





全てを聞いた後、鱗瀧さんはいった


鱗「…お館様にこの事を告げて、しばらくの間は普通の人としてここにいろ……」


私は 安心した
ここにいていいんだと







静かに私が寝息を立て始めた後
鱗瀧は一人 家の裏のお面に語りかけた



鱗「……錆兎、真菰………Aを救ってやってくれ」



分かった


そういったかのように
植えられた彼岸花が ゆったりと揺れるのだった……

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みお(プロフ) - 鱗滝さんの字が違ってますよ! (2019年10月4日 2時) (レス) id: e5923a196b (このIDを非表示/違反報告)
イナビカリ(プロフ) - あいうえおさん、ご指摘ありがとうございます!返信遅くなりすいません(T ^ T) (2019年9月14日 0時) (レス) id: b6281ca595 (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - 「鱗滝」ですよ。 (2019年8月21日 17時) (レス) id: d4ea0d195c (このIDを非表示/違反報告)
イナビカリ(プロフ) - あやさん、コメントありがとうございます!更新が遅くなるかも知れませんがこれからも宜しくお願いします! (2019年7月25日 22時) (レス) id: 757b33d380 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - めっちゃ最高に面白いです!!!応援してます!!! (2019年7月21日 18時) (レス) id: 7701c78eca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イナビカリ | 作成日時:2019年4月24日 0時

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