拾捌ノ型 ページ20
女「紅ちゃん、紅ちゃん。 野菊花魁が呼んでるよ?」
紅 とは私の源氏名
ここにいる人達は 皆 本名ではないから
貴「はい!今行きますね。」
私は自分の部屋から出ると
野菊花魁がいる所へ足を運ぶ
貴「野菊花魁、失礼します」
私が襖を開けると
涙目でウロウロしている花魁がいた
野「あぁ〜! 紅ちゃん やっと来てくれたのね〜!」
貴「ふー……花魁、どうしたんですか?」
野「もうすぐ夜店が始まるのに…どの簪で行こうか…髪の毛も結ってないしー!」
そういうことか…
野菊花魁は私が今一番仲良くしてもらっている人で ドジで泣き虫だけど とても綺麗で優しいのよ……飴を時々くれたりするし
私は野菊花魁の簪を数個選ぶと
櫛を持って 花魁を鏡の前に座らせた
貴「ふふ、私がやって差し上げますよ……だから そんなに泣かないでください」
野「紅ちゃん……!」
私は 野菊花魁の髪をとかし
結い上げると、一つ一つ簪で綺麗にまとめていく……その後 野菊花魁の顔を紅で色付けて
貴「…はい! 出来た!」
私はにっこりと微笑んで
野菊花魁の肩を持つ
その時だった
ーーードガシャァァァンーーー
いきなり部屋の外で大きな音が聞こえた
貴「……何事?」
私が戸惑っていると、野菊花魁が顔を青くして
野「…誰かが蕨姫花魁の癪に障ったのね…」
そう、呟いた
やっぱ、蕨姫花魁なのね……
蕨「どいつもこいつも! ふざけてんのかいッ?私は部屋を片付けるように言ったはずだけど?……」
禿「…うぅ……ごめんなさっ…」
蕨「うるさいんだよっ!泣くんじゃない! お前達も何をグズグズしているんだッ!」
蕨姫花魁の怒声が響く
どの花魁も下働きの女達も怯えて禿を助けようとしない
禿「ご、ごめんなさいッ……許して、ください!」
一瞬 その姿が 禰豆子に見えた
貴「……何様だ」
野「べ、紅ちゃん?」
プツンと何かが切れた気がした
蕨「…うるさいってのが わからないのっ!」
禿「……キャァッ!」
蕨姫花魁が手を振り上げた瞬間、
ーーーガッーーー
蕨「……ッ⁉」
貴「…そこまでですよ、蕨姫花魁。彼女が怯えてます……みんなもそうです」
私は蕨姫花魁の手を掴み上げた
蕨姫「…何、私に触れてんの? 離せ」
貴「…貴方が この子や他の子達に手を上げないと誓えるのであれば、、離しますよ?」
ーーーギッーーー
私は つかんだ手に力を入れた
……
872人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みお(プロフ) - 鱗滝さんの字が違ってますよ! (2019年10月4日 2時) (レス) id: e5923a196b (このIDを非表示/違反報告)
イナビカリ(プロフ) - あいうえおさん、ご指摘ありがとうございます!返信遅くなりすいません(T ^ T) (2019年9月14日 0時) (レス) id: b6281ca595 (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - 「鱗滝」ですよ。 (2019年8月21日 17時) (レス) id: d4ea0d195c (このIDを非表示/違反報告)
イナビカリ(プロフ) - あやさん、コメントありがとうございます!更新が遅くなるかも知れませんがこれからも宜しくお願いします! (2019年7月25日 22時) (レス) id: 757b33d380 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - めっちゃ最高に面白いです!!!応援してます!!! (2019年7月21日 18時) (レス) id: 7701c78eca (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:イナビカリ | 作成日時:2019年4月24日 0時