竈門家長女は古（いにしえ）に笑う 【鬼滅の刃】

拾肆ノ型 ページ16

貴「……義勇、前方にいるの分かる？」


義「…うん、臭いが少しする」


貴「…そうだよね、気配が二つ動いてる」



私と義勇は子供達を背後に隠すと
刀を構えた


貴「…みんな、お家に帰りたいよね？ なら 背後で動かないで 目をつぶって耳を塞いでてね？」


「「「うんッ！」」」


私は子供達に指示をすると
前を向いた



貴(来る)



鬼1「…あれぇ、そこにいるのぉ？ 見ぃつけたぁ！」


鬼2「……前の二人は 見ねぇ顔だ…鬼殺隊か？…早く殺すぞ」


そこにいたのは 男女の双子の鬼
兄の方はよほど怒っているのか殺気がすごい


貴「…夜な夜な 子供達をさらっているのは貴方達ね？…子供達をさらってどうしてるの？」


分かりきった答え
だけど……どう答えるのか

それが気になる



鬼1「なぁに？ 分かってるでしょ？ ちゃんと食べているわよぉ〜！……手足引きちぎってね！」


ーーードゴォッーーー



貴「みんな！ 後ろを振り向かずに逃げて！…」


鬼が攻撃を仕掛けてきた



真日「で、でも 姉ちゃん達が！」


貴「…いいから 早くッ！」



私の声の焦りに 子供達はやっと動いてくれた



鬼2「…逃がさん！」


貴「…義勇！ そいつを頼む！」


義「…分かった」



私は 女の鬼をみる
こいつは私が倒す…痛みを忘れた奴には
もう一度 思い出させてあげる



女鬼「…えーー、貴方 新人でしょぉ？ …倒せんのかよ？」


ーーーグンッーーー


鬼は私に向かって 飛んでくる


貴「……痛みのわからない者はいない、人間であっても 鬼であっても」


女鬼「え？ 何言ってんのぉ？喋ってる暇あるのかなぁ？」



鬼は自信に満ちた表情で飛んでくる


私は目をつぶり 深呼吸をする



貴「古に戻れば 痛みを感じる……己を探せば 今を恐れる………鬼は可哀想な生き物だ……」



女鬼「…死ねぇぇ！」



貴「…それと同時に 人間は愚かな生き物よ」



ーーーグオォォーーー


鬼の風のきる音が凄まじい


これが 鬼なんだね
最終試験の時にいた奴とは大違い
それでもこいつらは 許さない
痛みを思い出させてやる



女鬼「さよなら！」


貴「えぇ、さようなら」


ーーーリィィィィンーーー


【古の呼吸 魂の古痛】


貴「…痛みを知りなさい」


ーーボローー

女鬼「…えっ…ギャァァァ！！」



魂の古痛とは 斬った相手に 今まで感じてきた痛みを全てひとつにして感じさせる技
とてつもない痛みを伴う


私は道端の花をとると 彼女の羽織に置いた

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