人間洗浄機９

番外編：バレンタインに愛を　<乱数の誕生日とは無関係です> ページ9

一郎の場合

「おはよう、一郎。」

「はよ。…甘い匂いがするな。」

朝起きると、リビングに甘い香りが漂っている。
キッチンの方を覗くと、珍しく少女が起きて何かを作っていた。

「こう見えて私、イベントごとが好きなので。」

少女がドヤ顔で一郎を見る。
カレンダーを見ると２月14日。今日はバレンタインであった。

「と、言うことで出来立てのスコーンを朝食にどうぞ。」

「…マジか。」

お皿にスコーンをのせて一郎に差し出した少女。
一郎は唖然とスコーンを見る。

「もしかしていらなかった？」

少女は不安げな表情を浮かべている。

「いる！いるから！」

一郎は慌てた様子で受け取った。

結果：一瞬フリーズする
「…まさか、貰えると思って無かったから。」
とても嬉しかったのは秘密


二郎の場合

「二郎ちゃん、おはよ。」

寝ていたはずだが急に苦しくなる。
ボーっと目を開けると、少女が上に乗ってニッコリ笑っていた。

「うわぁ！？」

二郎にとっては朝から心臓に悪い。

「おはよ、二郎。遅刻するよ。」

二郎は少女を睨むが、少女は気にする様子も無く笑いながら起き上がった。
制服に着替えてリビングに移動すると、

「あれ、なんか甘い匂いする。」

「今日バレンタインだからね。」

そう言って少女はスコーンを差し出す。

「二郎は学校で女の子から沢山貰うと思うけど…初バレンタインは私のものだね〜。」

二郎はそれに頬を赤く染める。

「馬鹿かよ…。でもありがと。」

結果：恥じらう
「アイツに恥ずかしいとかねぇの？」
実は少女からの贈り物が一番嬉しかったのは秘密


三郎の場合

「Aさん、おはようございます。」

「おはよう。三郎。」

三郎が目を擦りながら起きてくる。
少女は擦り寄る三郎の頭を撫でる。

「ん〜、良い匂いがしますね。」

「ふふ、今日はバレンタインだからねぇ。」

＜バレンタイン＞、そのワードが聞こえた瞬間、三郎がバッと起き上がる。

「もしかして！」

「うん。三郎にもあるよ。」

そう言ってスコーンを差し出す。

「…この量は、他の人にもあげるんですか？」

「うん。お世話になってるからね。」

それを聞いて三郎はしょげる。
そんな三郎を見て少女は笑いながら、

「出来立てを食べれるのは、一緒に住んでる三郎たちだけだよ。」

それを聞いて三郎は素晴らしいほどの笑顔で、

「そうでした！」

結果：ジェラシー感じる
「…どうやったら保存できるかな。」
永久保存法を考えていたのは秘密

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