日常314 シブヤの幽霊 ページ18
「え、ちょちょ…」
乱数は＜シブヤの幽霊＞について聞いた瞬間に焦ってスマホを取り出す。
SNSを開いてみると…
『フリング・ポッセ行きたかったよ〜』
『乱数ちゃんに会いたかった〜』
『でも…あのライブハウスなんでしょ？』
『やばいじゃん 出るじゃん』
ライブに行けないことを惜しむファンと、＜シブヤの幽霊＞を恐れる声に溢れていた。
「…何これ。そんなっ！店長！？」
乱数は慌てて黒也の方を向く。
それは、幻太郎も帝統も少女も一緒だった。
４人の視線が黒也に集まると、黒也は影から恐る恐る出てきた。
「だって…本当の事を言ったらアンタら出てくれないと思って…。」
黒也は申し訳なさそうに出てきた。
「どー言うことだよ！」
「洗いざらい話してもらいましょうか。」
帝統も幻太郎も怒っている様子だ。
まぁ、そりゃそうだ。
「く〜ろ〜や〜さ〜ん。」
「…ひぃ！」
四面楚歌な黒也の元に、少女が近づく。
そして…
「ひぃ！じゃ、ねーわ！詐欺で訴えんぞ？お？きちんと最初から説明しとけや！そしたらなぁ、そしたらなぁ…＜お清めの御塩＞持ってきてたし、お守り持ってきてたし…
幽霊さん！呪うならギャンブルに狂った帝統だけにしてください！」
「何で俺なんだよ！」
「ぎゃあぁぁぁ！」
「おい！人を囮にしといてくっつくな！」
少女はパニックだ。
まさか、心霊スポットに自分がずっといただなんて、考えただけでもぞっとした。
そんな少女を、トム達と幻太郎は呆れた目で見つめる。
「…はぁ。Aさんそっちではないでしょう。今回の我々の苦労は全部無駄だったんですよ？」
幻太郎は1人ため息を吐いた。
そりゃそうだ。最初から集客が見込めないのならライブなんて行っても意味がない。
少女のおかげで空気が少し軽くなったのか、黒也は恐る恐る口を開いた。
「いや、ウチに出てくれてたバンドやアーティストは皆見てしまったって言うんですよ。
…＜幽霊＞を。」
「…黒也さん、顔が怖い。」
黒也は真実を話すが、なんせ黒也本人のお顔が怖い。
少女はその顔を見てられず、乱数の背中に引っ付く。
「ほ…ほんとにいるんだぁ！」
乱数も恐怖を感じたようで、顔を青ざめながら一歩後ろに引く。
「それで…おっかないからって誰も出てくれなくなって…客も来なくなって…。
ウチだけじゃないんだよ。シブヤ中のライブハウスに出るんだよ…＜これ＞。どこもウチとおんなじで閑古鳥が鳴いてるらしいよ…。」
そう言って黒也は肩を落とした。
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いもけんぴ(プロフ) - 雪猫/うさ@猫のきもちさん» コメントありがとうございます！はじめまして、いもけんぴと申します。返事が遅れてしまって申し訳ないです。全シリーズ公開にいたしますので、是非読んでいただけると嬉しいです。 (2023年1月11日 4時) (
レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
雪猫/うさ@猫のきもち(プロフ) - はじめまして！突然のコメント失礼します。このシリーズとても面白くてリピートして見ています！この次のシリーズ10は見れない感じなのでしょうか？ (2022年12月29日 11時) (レス) id: 11992579ab (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - 芋けんぴさん、こちらこそ、ナポリの一員にありがとうございます。誰でも理想はありますからね。この職場でしたら嬉しいです。私も ファイナルアンサーで、それとコメント頂きありがとうございます。いっでも大丈夫ですので、体に気をつけてくださいね。 (2021年6月19日 10時) (レス) id: 2ac717d38f (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - ダリアさん» ダリア様！コメントのお返事が遅くなり申し訳ございません。オリキャラ設定のリクエストありがとうございます！10の最後で書かせていただきました！ ナポリの常連になってくださるととても嬉しいです！オリキャラごと愛してくれてありがとうございます！！ (2021年6月19日 4時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - 蒼井とーるさん» 蒼井とーるさん！コメントありがとうございます。お返事が遅くなり申し訳ございません。オリキャラの設定のリクエストありがとうございました！10のラストで追加のオリキャラ設定を書かせて頂いています！よろしければ覗いてみてください！ (2021年6月19日 4時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芋けんぴ | 作成日時：2021年2月12日 22時
