日常256 これが日常 ページ44
「派手にやりましたね。」
少女の目の前には、苦しそうに倒れる男達。
全員、左馬刻のラップで倒れ込んでしまっていた。
「派手にやりましたね…じゃ、ねぇわ！」
＿ゴンッ！
「いった。」
左馬刻は怒りながら少女の頭に軽い拳骨を落とした。
少女は少しだけ痛そうに頭を擦る。
「ったく。少しは大人しくしとけ、ばーか。」
今度は少女の頭を優しく撫でると、倒れている男たちに一歩一歩近づく。
＿コツ…コツ…
革靴の足音が彼らの恐怖心を増幅させた。
左馬刻は１人、赤いスカジャンの男の胸蔵を掴むと、
「二度とウチのシマに来るんじゃねぇ！」
と怒鳴り散らし、男どもは逃げるように走り去った。
「左馬刻さん。これ、後で銃兎さんに怒られませんかね。」
「あぁ？そんときゃお前も一緒にだな。」
「げー。」
少女は去っていく男を見ながら顔を青くする。
そりゃそうだ。説教なんてこりごりだろうに。
そんな2人の元に店長が近づく。
「あの…ありがとうございました。良かったら、これ。」
２人に礼を言うと、肉まんを２つ差し出す。
「え！良いんですか？ありがとうございます！」
少女は笑顔で肉まんを受け取ると、嬉しそうに花を咲かせる。
左馬刻は少女の様子を横目で見ると鼻で笑い、
「奴らがまた来たら、連絡よこせや。…ほら、A行くぞ。」
「はーい。また来ます！」
左馬刻は少女の肩を抱いて、足を進める。
少女は連れていかれながらも、最後に店長に礼を言うと嬉しそうに歩き出した。
＿＿ヨコハマ。欲望渦巻く歓楽街と港町の風景が同居する混沌としたディビジョン。
この街じゃ何事も無い一日なんてあり得ねぇ。異常事態も毎日続けば日常に成り下がる。今日も…
「お前、良く食えんな。」
左馬刻の視線の先には美味しそうに肉まんを食べる少女。
あんだけ食べておいてよく入るな。
そんな目を少女に向ける。
まぁ、左馬刻はよく食べる方では無いからかもしれないが。
＿あのほっそい腹のどこに入るんだか。
まるで地球外生命体を見るような目で、少女の腹を見る左馬刻。
その視線に気が付いた少女は、
「あー、レディのお腹見ちゃダメなんですよ。…出てましたか？」
お腹をさっと隠すと、青ざめた顔で左馬刻を見上げる。
「いや？別にフツーだと思うぜ。」
そう言うと、左馬刻は少女の頭を少し乱暴に撫でて＿
「まぁ、あれだ。食えるだけ食えや。その方が安心する。」
そう言って笑いかけた。
＿＿今日も、くそったれな日常が始まる。
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きな粉もち - いもけんぴさん» ご返信ありがとうございます。楽しみに待っています！ (2022年10月29日 18時) (
レス) id: 7285b7d776 (このIDを非表示/違反報告)
いもけんぴ(プロフ) - きな粉もちさん» きな粉もち様、コメントありがとうございます。いずれ、全体公開を考えているため、もう少しお待ちいただけますと幸いです。申し訳ありません。 (2022年10月27日 16時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
いもけんぴ(プロフ) - くりゅさん» くりゅ様、コメントありがとうございます。いずれ、全体公開を考えているため、もう少しお待ちいただけますと幸いです。申し訳ありません。 (2022年10月27日 16時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
いもけんぴ(プロフ) - れんさん» れん様、コメントありがとうございます。いずれ、全体公開を考えているため、もう少しお待ちいただけますと幸いです。申し訳ありません。 (2022年10月27日 16時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
きな粉もち - 人間洗浄機シリーズ、いつも楽しませていただいております！８以降のパスワードを教えていただけないでしょうか？ (2022年10月26日 16時) (レス) @page47 id: 7285b7d776 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芋けんぴ | 作成日時：2021年1月17日 19時
