日常231 容疑者独歩 ページ19
「Aさん、病み上がりで申し訳ないのですが、今から独歩くんの所に向かっても良いかな?」
寂雷は運転をしながら少女に問いかける。
独歩が言っていたのは、
<部屋で知らない人が死んでいた>
と、いうことは独歩は今自分の家にいるはずである。
その問いかけに、少女は、
「えぇ、勿論です。一郎には連絡しておきます。」
断るはずも無く、頷く。
寂雷は返事を聞くとすぐにハンドルを回し、進路を変更した。
「独歩ちん!おっまたせー!」
マンションの前で体育座りする独歩の元に、ジャケットを振り回しながら一二三が登場する。
独歩は一二三の姿を見ると、
「ひ、一二三ぃ…」
涙声で、一二三の名を呼んだ。
当たり前だが、かなり心細かったらしい。
そのまま、一二三と共に自分たちの家、もとい、殺人現場へと急いだ。
「おぉ…独歩。これ誰?」
「知らないって!」
一二三は興味津々にソレを見る。
独歩はソレが恐ろしいようで、遠くから恐る恐るソレをみる。
独歩の反応が正しい。
ソファーの上に横たわる男の首には、独歩のネクタイが巻かれてあった。
「首に巻いてあるのは…独歩のネクタイだね。これで独歩はキュっとしたんだな。」
「だから!俺はやってない!!」
一二三よ…幼馴染を何だと思っているんだ。
独歩は一二三の冗談か本気かわからない言葉を否定して、頭を抱える。
「じゃー、いったい誰がやったんだ?」
一二三がそう言った瞬間、
_ウーウー
パトカーのサイレンが響く。
どうやら、警察が駆け付けたらしい。
マンションの下には二台のパトカーが。
「取りあえず、逃げるぞ!独歩!」
「えぇ!?」
一二三は独歩の手を取り、走り出した。
「何で警察が!?」
「まぁ、誰かが通報したんだろうね〜。」
階段を下りながら、独歩は嘆く。
一二三はまるでこの状況を楽しむかのように振舞っていた。
独歩は一二三の神経を疑いながら、足を進める。
「このままじゃ独歩、つっかまるよ〜。」
一二三と独歩が階段を下りて、あと少しで逃げられると言うような場所にたどり着くが、
「こりゃ、逃げられそうにもないな。」
「も、もうダメだ…。」
警察が張り込み、逃げる者を阻む。
独歩は絶望して、嘆きだした。
そんな独歩を放って一二三がどうやって逃げるか頭を悩ませていると、
_ブーッブーッ
一二三のスマホが振動する。
「え?」
一二三がスマホを開くと、
『一二三さん、右を見てください。』
と少女からメッセージが来ていた。
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きな粉もち - いもけんぴさん» ご返信ありがとうございます。楽しみに待っています! (2022年10月29日 18時) (レス) id: 7285b7d776 (このIDを非表示/違反報告)
いもけんぴ(プロフ) - きな粉もちさん» きな粉もち様、コメントありがとうございます。いずれ、全体公開を考えているため、もう少しお待ちいただけますと幸いです。申し訳ありません。 (2022年10月27日 16時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
いもけんぴ(プロフ) - くりゅさん» くりゅ様、コメントありがとうございます。いずれ、全体公開を考えているため、もう少しお待ちいただけますと幸いです。申し訳ありません。 (2022年10月27日 16時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
いもけんぴ(プロフ) - れんさん» れん様、コメントありがとうございます。いずれ、全体公開を考えているため、もう少しお待ちいただけますと幸いです。申し訳ありません。 (2022年10月27日 16時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
きな粉もち - 人間洗浄機シリーズ、いつも楽しませていただいております!8以降のパスワードを教えていただけないでしょうか? (2022年10月26日 16時) (レス) @page47 id: 7285b7d776 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:芋けんぴ | 作成日時:2021年1月17日 19時